訂正開示の確認

2026年6月19日の訂正開示では、連結キャッシュ・フロー計算書および当期のキャッシュ・フローの概況の一部が訂正されました。営業CF14.46億円、投資CF-13.76億円、財務CF-5.90億円、期末現金47.29億円という主要CF合計の見方は大きく変わらず、投資活動CFの内訳説明が中心です。売上高、営業利益、純利益などの損益評価は維持します。

決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率来期会社計画
売上高129億円119億円+8.3%136億円
営業利益2.8億円6.0億円-52.3%2.3億円
純利益2.1億円4.0億円-47.6%1.2億円
EPS28.92円55.23円-47.6%16.51円

増収にもかかわらず利益率が大きく低下した。

定量評価

EPS成長率は47.6%減、ROEは1.4%、自己資本比率は80.7%である。営業CFは14.5億円の黒字、現金及び現金同等物は47.3億円だった。2026年5月12日観測の株価1,380円に対し、来期予想EPSでみたPERは約83.6倍である。

ポジティブ要因

売上増加

売上高は8.3%増で、需要面には一定の回復が見える。

財務安全性

自己資本比率は80.7%で、財務は非常に堅い。

営業CF黒字

営業CFは14.5億円の黒字で、利益を上回るキャッシュを確保した。

リスク要因

利益率悪化

営業利益率は5.0%から2.2%へ低下し、採算悪化が明確である。

来期も減益

来期は営業利益、経常利益、純利益のすべてで減益計画である。

配当性向の高さ

来期予想配当80円に対し、予想配当性向は484.6%と高い。

財務安全性

総資産は190億円、純資産は153億円、自己資本比率は80.7%で高い。財務安全性は強いが、利益水準が低いため、配当の持続性は利益回復に依存する。

業界動向との関連

コネクタは半導体・産業機器・車載需要の影響を受ける。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。

株価への示唆

株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気50倍16.51円826円
中立80倍16.51円1,321円
強気100倍16.51円1,651円

現在株価は中立シナリオをやや上回る。財務の強さで下支えされる可能性はあるが、利益回復が遅れる場合は下振れリスクがある。

今期の総括

2026年3月期は増収にもかかわらず大幅減益で、営業利益率が悪化した。財務は強いが、収益力の低下が主な課題である。

来期見通し

2027年3月期は売上高136億円、営業利益2.3億円、純利益1.2億円を計画する。増収でも減益を見込んでおり、採算改善の遅れが懸念される。

総合判断

総合判断は弱気である。高い自己資本比率は評価できるが、減益継続と高PERが重い。次は営業利益率の底打ちが確認できるかが焦点である。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • ケル株式会社「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年5月12日開示
  • 「(訂正・数値データ訂正)「2026 年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正に関するお知らせ」、ケル、開示日: 2026-06-19