決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 17.83億円 | 9.87億円 | +80.6% | 非開示 | 該当なし |
| 純営業収益 | 17.75億円 | 9.83億円 | +80.5% | 非開示 | 該当なし |
| 営業利益 | 7.39億円 | 1.81億円 | +307.8% | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | 7.76億円 | 2.05億円 | +278.5% | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | 5.28億円 | 1.36億円 | +286.5% | 非開示 | 該当なし |
| EPS | 103.34円 | 26.74円 | +286.5% | 非開示 | 該当なし |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
今村証券は証券業の単一事業であり、事業セグメント別の売上・利益は開示していない。決算短信では、営業収益の中身として受入手数料、トレーディング損益、金融収支が確認できる。
| 収益区分 | 当期実績 | 前年同期比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 受入手数料 | 17.40億円 | +81.8% | 株券委託手数料と受益証券関連収入が大きく増加 |
| トレーディング損益 | 0.01億円 | -85.3% | 収益貢献は小さい |
| 金融収支 | 0.32億円 | +140.6% | 金融収益増が寄与 |
受入手数料のうち株券は13.73億円、受益証券は3.39億円だった。日経平均株価が史上最高値を更新する強い市況が委託手数料を押し上げた決算で、ストック収益化を測る受益証券による経費カバー率も32.9%へ上昇している。ただ、証券会社らしく市況依存は強く、好調な四半期をそのまま平準化して見るのは危うい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +286.5% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は営業収益比で41.5%です。証券会社の収益は市況で振れやすいため、営業利益率だけでなく受入手数料の中身と預り資産の積み上がりを分けて確認したいところです。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は7.39億円、前年比は+307.8%です。株券委託手数料の増加が利益を押し上げましたが、強い市況が前提になっている点は割り引いて見る必要があります。
売上規模の確認
売上高は17.83億円、前年比は+80.6%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は51.6%、純資産は136.57億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高非開示、営業利益非開示です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産264.88億円、純資産136.57億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率51.6%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は営業収益17.83億円(+80.6%)、営業利益7.39億円(+307.8%)、四半期純利益5.28億円(+286.5%)という内容でした。強い市況が委託手数料を押し上げた決算で、受益証券による経費カバー率の改善も確認できます。ただ、証券会社の四半期収益は相場環境に左右されるため、好調値をそのまま通期化する読み方は避けたいところです。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高非開示、営業利益非開示、経常利益非開示、純利益非開示、EPS非開示が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高17.83億円、営業利益17.75億円、純利益7.76億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、今村証券、開示日: 2026-07-24