松屋アールアンドディ 7317 2022年3月期第3四半期決算 売上高39.11億円(-18.3%) ✓ 血圧計腕帯の受注は増加 ✓ 海外向け大型裁断機を受注 ⚠ ベトナム工場の操業制限 ⚠ 残業代・航空運賃が増加

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高39.11億円47.87億円-18.3%56億円69.8%
営業利益2.04億円5.79億円-64.8%3.30億円61.8%
経常利益2.28億円5.35億円-57.4%3.60億円63.4%
純利益0.71億円4.58億円-84.4%1.50億円47.6%
EPS13.57円88.71円-84.7%28.51円47.6%

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-84.7%当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は5.2%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

営業利益の変化

営業利益は2.04億円と前年同期比64.8%減少した。営業利益率は5.2%で、前年同期の12.1%から大きく低下している。ベトナムでの操業制限に加え、納期対応の残業代と航空運賃が利益を削った。

売上規模の確認

売上高は39.11億円と前年同期比18.3%減少した。血圧計腕帯の受注は増えたが、アイソレーションガウンの特需剥落とカーシート・エアバッグの生産制約を補えなかった。

財務基盤

自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は47.8%、純資産は30.98億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。

リスク要因

利益率とキャッシュのずれ

第3四半期累計のキャッシュ・フロー計算書は非開示。棚卸資産が増加する一方、売掛金は減少しており、通期では運転資金と新工場投資が営業CF・フリーCFにどう表れるかを確認したい。

販売数量・コスト前提の変動

通期予想は売上高56億円、営業利益3.30億円へ修正された。第3四半期までの進捗率は売上高69.8%、営業利益61.8%であり、第4四半期には売上高16.89億円、営業利益1.26億円が必要となる。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

財務安全性

財務安全性では、総資産64.77億円、純資産30.98億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率47.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。

業界動向との関連

業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。

株価への示唆

中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。

今期の総括

第3四半期累計は売上高39.11億円、営業利益2.04億円、純利益0.71億円の減収減益となった。縫製品事業は5.50億円のセグメント利益を確保したが、縫製自動機事業は0.69億円の損失。主力工場の正常化だけでなく、自動機事業の赤字縮小も必要である。

来期見通し

来期または通期見通しでは、売上高56億円、営業利益3.30億円、経常利益3.60億円、純利益1.50億円、EPS28.51円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。

総合判断

総合判断は弱気。通期予想を下方修正し、営業利益率も前年同期の12.1%から5.2%へ低下したためである。ベトナム工場は2021年10月中旬から通常操業へ戻ったが、第4四半期だけで計画差を埋められるか、市場は実績確認を優先する局面となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2022年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、松屋アールアンドディ、開示日: 2022-02-10