決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 56.40億円 | 72.69億円 | -22.4% | 61.66億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 3.55億円 | 8.38億円 | -57.6% | 4.10億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 4.09億円 | 8.30億円 | -50.8% | 4.35億円 | 該当なし |
| 純利益 | 1.65億円 | 5.68億円 | -70.9% | 3.15億円 | 該当なし |
| EPS | 31.42円 | 109.83円 | -71.4% | 59.74円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。前年比などが非開示の場合は、決算短信側で前年実績または増減率が示されていないことを意味します。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -71.4% | 前期比 | 純利益の大幅減少に沿ってEPSも低下した。 |
| ROE | 5.5% | 前期23.7% | 特需剥落と操業制限で資本効率が大きく低下した。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は6.3%、総資産経常利益率は6.2%である。前期の営業利益率11.5%から採算が悪化しており、次期計画では売上回復だけでなく利益率の反転が問われる。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は3.55億円と前期比57.6%減少し、営業利益率は11.5%から6.3%へ低下した。ベトナムでの操業制限、残業代・航空運賃の増加、ガウン特需の剥落が重なった。
売上規模の確認
売上高は56.40億円と前期比22.4%減少した。血圧計腕帯は健康志向を背景に受注が伸びたが、カーシート・エアバッグの生産制約とアイソレーションガウンの大口案件剥落を補えなかった。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は47.0%、純資産は32.37億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは1.40億円と前期の6.56億円から縮小した。棚卸資産の増加5.87億円と法人税等の支払い2.76億円が資金を圧迫。投資CFは4.85億円のマイナスで、フリーCFは約3.44億円の赤字となった。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高61.66億円、営業利益4.10億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産68.89億円、純資産32.37億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率47.0%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF1.40億円、投資CF-4.84億円、財務CF5.04億円、現金及び現金同等物の期末残高14.67億円です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
2022年3月期は売上高56.40億円、営業利益3.55億円、純利益1.65億円の減収減益。縫製品事業は8.16億円のセグメント利益を確保したが、縫製自動機事業は1.13億円の損失となった。売上より利益、利益よりキャッシュの弱さが残る着地である。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高61.66億円、営業利益4.10億円、経常利益4.35億円、純利益3.15億円、EPS59.74円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は弱気。売上高22.4%減に対して営業利益は57.6%減、営業CFも1.40億円に縮小しており、利益とキャッシュの双方が弱い。2023年3月期は増収増益を計画するが、縫製自動機事業の赤字縮小とベトナム新工場投資を吸収できるかが評価の分岐点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2022年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」、松屋アールアンドディ、開示日: 2022-05-13