決算サマリー

項目2026年4月期前期増減率来期予想
売上高115.02億円108.75億円+5.8%115.00億円
営業利益22.35億円19.46億円+14.8%21.70億円
経常利益22.98億円19.91億円+15.5%22.30億円
純利益15.88億円13.01億円+22.1%14.70億円
EPS302.89円248.17円+22.0%280.26円
年間配当303円174円増配280円

セグメント別の見方

セグメント売上高増減率セグメント利益増減率
理科学機器設備部門57.84億円+4.0%11.58億円+19.3%
保健医科機器部門29.98億円+13.0%5.44億円+15.9%
産業用機器部門27.18億円+2.2%5.95億円+8.2%

理科学機器設備は、学校校舎の長寿命化改修工事に伴う実習台・収納戸棚類の納入が支えた。保健医科機器は、AEDの新規設置と買い替え需要が強い。産業用機器は、東アジア向け環境試験装置が伸び悩んだ一方、半導体製造装置向けの保温・加熱用電気ヒーターが好調だった。

目立つのは、3セグメントすべてで増収増益になっている点だ。特定の一部門だけで押し上げた決算ではない。

財務安全性

財務はかなり厚い。総資産180.76億円、純資産139.23億円、自己資本比率77.0%。負債は41.52億円で、前期末から8.41億円減少した。利益剰余金も121.85億円まで積み上がっている。

営業キャッシュ・フローは9.39億円のプラス。ただし、前期の12.79億円からは減少している。リース投資資産や棚卸資産の増加、法人税等の支払いが重かった。現金及び現金同等物の期末残高は39.59億円で、前期末比23.80億円減少している。

キャッシュが減った理由の一つは配当と子会社株式取得だ。財務活動によるキャッシュ・フローは-19.02億円で、配当金の支払額12.42億円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式取得による支出6.59億円が主因である。

ポジティブ要因

営業利益率19.4%は、卸売業として見るとかなり高い。単なる低マージン商社ではなく、理科学機器、保健医科機器、産業用機器で専門性を持っていることが数字に出ている。

配当も強い。2026年4月期の年間配当は303円で、前期174円から大幅増配となった。配当性向は100.0%と高いが、自己資本比率77.0%の財務基盤があるため、還元余力を示す決算でもある。

リスク要因

配当性向100.0%は見た目ほど単純ではない。高配当は魅力だが、利益をほぼ全額配当に回す構造なので、来期減益局面では配当維持力がすぐに問われる。会社の来期予想配当は280円で、今期303円からは減配見通しである。

また、学校改修需要や半導体設備投資には波がある。今期は複数の需要が噛み合ったが、来期予想は売上横ばい、営業減益。市場はここを冷静に見るはずだ。

株価への示唆

この決算は、利益水準だけなら評価されやすい。営業利益率、自己資本比率、配当水準の3点は強い。ただ、来期が小幅減益計画で、年間配当も280円予想に下がるため、株価が素直に上へ走るには「保守的な予想なのか」「需要が続くのか」の確認が必要になる。

高配当株として見るなら、配当利回りだけでなく配当性向とキャッシュの減少も合わせて見る。安定感はあるが、今期の303円配当をそのまま毎期の標準値として扱うのは少し早い。

今期の総括

2026年4月期は、ヤガミにとってかなり良い決算だった。売上高115.02億円、営業利益22.35億円、純利益15.88億円。学校改修、AED、半導体関連、滅菌器需要が広く支えた。

個人的には、営業利益率19.4%と自己資本比率77.0%の組み合わせが目を引く。派手な成長株ではないが、専門性のあるニッチ企業としての収益力はしっかりある。

来期見通し

2027年4月期は、売上高115.00億円、営業利益21.70億円、経常利益22.30億円、純利益14.70億円を見込む。売上はほぼ横ばい、利益は小幅減益の計画だ。

文教分野では理科教育予算や学校施設の長寿命化改修が続く見通し。民間分野ではAEDの普及拡大と半導体メーカーの設備投資が支えになる。一方で、海外市場では中国経済の減速や中東情勢の緊迫化もあり、会社は先行き不透明感を残している。

総合判断

総合判断はやや強めの中立である。今期決算は強い。財務も厚く、配当も大きい。ただし、来期は減益・減配予想で、配当性向も高い。ここからは「高配当だから買われる」だけではなく、利益水準と配当の持続性を確認する局面になる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、ヤガミ、開示日: 2026-05-29
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