決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 339.85億円 | 348.69億円 | -2.5% | 1410億円 | 24.1% |
| 営業利益 | 18.93億円 | 11.64億円 | +62.6% | 96億円 | 19.7% |
| 経常利益 | 19.07億円 | 9.51億円 | +100.4% | 98億円 | 19.5% |
| 純利益 | 24.01億円 | 6.95億円 | +245.2% | 80億円 | 30.0% |
| EPS | 72.3円 | 20.52円 | +252.3% | 240.94円 | 30.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 外部顧客向け売上高 | 前年同期 | セグメント利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| 外装材事業 | 317.27億円 | 325.50億円 | 25.43億円 | 18.45億円 |
| その他 | 22.58億円 | 23.19億円 | 0.45億円 | 0.06億円 |
外装材事業は国内の価格改定と米国不採算事業からの撤退で、減収ながら37.9%増益となった。全社費用など6.96億円を調整し、連結営業利益は18.93億円である。
財務安全性
財務安全性では、総資産1663.80億円、純資産1219.98億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率73.6%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +252.3% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は5.6%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
外装材事業の採算改善
国内の価格改定効果と米国の住宅向け汎用外装材事業からの撤退により、外装材事業のセグメント利益は37.9%増の25.43億円となった。
財務基盤
自己資本比率は前期末から1.4ポイント上昇して73.6%、純資産は1,219.98億円となった。総資産は前期末比18.81億円減少している。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
住宅需要と資材価格
国内の窯業系外装材販売数量は前年同期比2.6%減少した。住宅需要の低迷と資材価格高騰が続く場合、価格改定による採算改善が販売数量減で相殺される可能性がある。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
国内住宅市場は人口減少と住宅価格上昇を背景に需要が弱い。米国でも建設コストと金利の高止まりが非住宅投資の抑制要因となっており、数量成長より価格と事業構成の改善が重要になる。
株価への示唆
営業増益は評価材料だが、純利益の伸びには中国子会社の固定資産売却益が含まれる。株価評価では営業利益の改善を中心に見て、一時利益をそのまま将来利益へ延長しないことが重要である。
今期の総括
今期は売上高339.85億円(-2.5%)、営業利益18.93億円(+62.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益24.01億円(+245.2%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高1410億円、営業利益96億円、経常利益98億円、純利益80億円、EPS240.94円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。価格改定と不採算事業撤退による営業増益は前向きだが、住宅需要の弱さと一時的な固定資産売却益を考慮し、営業利益率の持続性を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、ニチハ、開示日: 2026-07-31