三井物産 8031 2027年3月期第1四半期決算 収益4兆3475.65億円(+31.7%) 純利益: 2940.52億円 基礎営業CF: 2809億円 リスク: 原材料・エネルギー価格 為替変動 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
収益43475.65億円32999.43億円+31.7%非開示該当なし
税引前利益3621.56億円2342.03億円+54.6%非開示該当なし
親会社所有者帰属利益2940.52億円1916.47億円+53.4%9200億円32.0%
EPS103.73円66.68円+55.6%324.54円32.0%

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

セグメント

セグメント収益親会社所有者帰属利益基礎営業CF
金属資源6335.13億円611.87億円690.23億円
鉄鋼製品1629.14億円53.38億円44.37億円
エネルギー1兆1021.38億円344.39億円801.06億円
モビリティ・デジタル・インフラ4866.48億円730.43億円464.91億円
化学品9559.46億円265.89億円409.35億円
ウェルネスエコシステム9075.47億円183.57億円76.26億円
イノベーション&コーポレートディベロップメント987.91億円652.03億円246.58億円

セグメント利益の最大の増加はイノベーション&コーポレートディベロップメントで、前年同期103.07億円から652.03億円へ増加しました。CIM Groupの資産リサイクル益や量子コンピューティング事業IPOに伴う評価益が含まれます。2026年4月から電力事業を移管し、3セグメントの名称も変更しています。

財務安全性

総資産は20兆7309.73億円、資本合計は9兆2392.77億円、親会社所有者帰属持分比率は43.3%です。営業CFは423億円、投資CFは887億円の支出で、フリーCFは464億円の赤字でした。運転資本増加の影響を除く基礎営業CFは2809億円ですが、ネット有利子負債は4兆4167億円、ネットDERは0.49倍へ上昇しています。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+55.6%当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は8.3%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

営業利益の変化

親会社所有者帰属利益は53.4%増の2940.52億円でした。金属資源、エネルギー、モビリティに加え、CIM Group関連の評価・資産リサイクル益が増益へ寄与しました。

売上規模の確認

売上高は43475.65億円、前年比は+31.7%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。

財務基盤

自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は43.3%、純資産は92392.77億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。

リスク要因

利益率とキャッシュのずれ

営業CFは前年同期2626億円から423億円へ減少しました。基礎営業CFは2809億円へ増えたものの、売掛金を中心とする運転資本増加で現金化が遅れ、フリーCFは464億円の赤字です。

販売数量・コスト前提の変動

次期または通期予想は売上高非開示、営業利益非開示です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

業界動向との関連

業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。

株価への示唆

中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。

今期の総括

収益は31.7%増の4兆3475.65億円、税引前利益は54.6%増の3621.56億円、親会社所有者帰属利益は53.4%増の2940.52億円でした。CIM Group関連の評価・資産リサイクル益を含むため、基礎営業CF2809億円と営業CF423億円の差を踏まえて利益の質を判断します。

来期見通し

通期の親会社所有者帰属利益予想は9200億円、EPS予想は324.54円で据え置かれました。第1四半期の進捗率は32.0%です。年間配当予想も1株140円を維持しています。

総合判断

総合判断は中立。利益進捗32.0%と基礎営業CFの増加は堅調ですが、評価・資産リサイクル益の寄与が大きく、運転資本増加でフリーCFは赤字です。次回は基礎営業CFの持続性、資源価格、CIM Group関連益の反動、ネットDERを確認します。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、三井物産、開示日: 2026-08-04