決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 収益 | 43475.65億円 | 32999.43億円 | +31.7% | 非開示 | 該当なし |
| 税引前利益 | 3621.56億円 | 2342.03億円 | +54.6% | 非開示 | 該当なし |
| 親会社所有者帰属利益 | 2940.52億円 | 1916.47億円 | +53.4% | 9200億円 | 32.0% |
| EPS | 103.73円 | 66.68円 | +55.6% | 324.54円 | 32.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 収益 | 親会社所有者帰属利益 | 基礎営業CF |
|---|---|---|---|
| 金属資源 | 6335.13億円 | 611.87億円 | 690.23億円 |
| 鉄鋼製品 | 1629.14億円 | 53.38億円 | 44.37億円 |
| エネルギー | 1兆1021.38億円 | 344.39億円 | 801.06億円 |
| モビリティ・デジタル・インフラ | 4866.48億円 | 730.43億円 | 464.91億円 |
| 化学品 | 9559.46億円 | 265.89億円 | 409.35億円 |
| ウェルネスエコシステム | 9075.47億円 | 183.57億円 | 76.26億円 |
| イノベーション&コーポレートディベロップメント | 987.91億円 | 652.03億円 | 246.58億円 |
セグメント利益の最大の増加はイノベーション&コーポレートディベロップメントで、前年同期103.07億円から652.03億円へ増加しました。CIM Groupの資産リサイクル益や量子コンピューティング事業IPOに伴う評価益が含まれます。2026年4月から電力事業を移管し、3セグメントの名称も変更しています。
財務安全性
総資産は20兆7309.73億円、資本合計は9兆2392.77億円、親会社所有者帰属持分比率は43.3%です。営業CFは423億円、投資CFは887億円の支出で、フリーCFは464億円の赤字でした。運転資本増加の影響を除く基礎営業CFは2809億円ですが、ネット有利子負債は4兆4167億円、ネットDERは0.49倍へ上昇しています。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +55.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は8.3%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
親会社所有者帰属利益は53.4%増の2940.52億円でした。金属資源、エネルギー、モビリティに加え、CIM Group関連の評価・資産リサイクル益が増益へ寄与しました。
売上規模の確認
売上高は43475.65億円、前年比は+31.7%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は43.3%、純資産は92392.77億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業CFは前年同期2626億円から423億円へ減少しました。基礎営業CFは2809億円へ増えたものの、売掛金を中心とする運転資本増加で現金化が遅れ、フリーCFは464億円の赤字です。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高非開示、営業利益非開示です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
収益は31.7%増の4兆3475.65億円、税引前利益は54.6%増の3621.56億円、親会社所有者帰属利益は53.4%増の2940.52億円でした。CIM Group関連の評価・資産リサイクル益を含むため、基礎営業CF2809億円と営業CF423億円の差を踏まえて利益の質を判断します。
来期見通し
通期の親会社所有者帰属利益予想は9200億円、EPS予想は324.54円で据え置かれました。第1四半期の進捗率は32.0%です。年間配当予想も1株140円を維持しています。
総合判断
総合判断は中立。利益進捗32.0%と基礎営業CFの増加は堅調ですが、評価・資産リサイクル益の寄与が大きく、運転資本増加でフリーCFは赤字です。次回は基礎営業CFの持続性、資源価格、CIM Group関連益の反動、ネットDERを確認します。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、三井物産、開示日: 2026-08-04