決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 725.02億円 | 489.03億円 | +48.2% | 1290億円 | 56.2% |
| 経常利益 | 168.98億円 | 116.97億円 | +44.4% | 322億円 | 52.5% |
| 純利益 | 103.63億円 | 81.07億円 | +27.8% | 208億円 | 49.8% |
| EPS | 106.43円 | 81.72円 | +30.2% | 214.96円 | ― |
金額は公式開示を億円へ換算した。増減率は会社開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値を用いた概算。端数処理のため金額から再計算した率に小幅な差がある。進捗は累計実績を通期会社予想で割った単純計算で、季節性や費用発生の時期を示すものではない。
単独四半期では、7〜9月の経常収益は約336.81億円、経常利益は約84.80億円。4〜6月比(QoQ)はそれぞれ-13.2%、+0.7%となる。中間累計から第1四半期を差し引いた概算で、季節性や費用計上時期も含む。
セグメント
| 事業・区分 | 当期売上・収益 | 前年同期 | 当期利益 | 前年同期利益 |
|---|---|---|---|---|
| 銀行業 | 665.15億円 | 425.85億円 | 168.88億円 | 115.51億円 |
| リース | 57.61億円 | 60.54億円 | 1.06億円 | 1.59億円 |
| 信用保証 | 7.41億円 | 7.12億円 | 6.55億円 | 6.45億円 |
| その他 | 14.51億円 | 12.89億円 | 2.19億円 | 2.37億円 |
経常収益は内部取引を含む事業概況の値で、単純合計は連結経常収益725.02億円と一致しない。セグメント利益も消去調整前で、合計と連結経常利益168.98億円を混同しない。銀行業のセグメント利益は銀行単体の経常利益168.71億円とも定義が異なる。
銀行業が経常増益を支えた一方、リースは減収減益、信用保証は増益となった。単体の貸出金利息は306.10億円へ増えたが、預金利息も82.28億円へ増加。連結売上のように経常収益だけを見ても、利ざや改善の大きさは判断できない。
財務安全性
国内基準の連結自己資本比率は13.30%、単体12.64%。表紙にある4.8%は会計上の比率で、規制資本比率ではない。純資産は2,749.41億円と期首から55.56億円減り、最終利益の計上だけでは増えていない。保有債券の評価や自己株式取得などの資本変動も確認したい。
定量評価
EPSは106.43円で、前年同期81.72円との比較は+30.2%。最終利益の変化に加え、期中平均株式数の影響も受ける。経常収益は有価証券売却等でも膨らむため、一般企業の売上成長率や営業利益率へ置き換えない。
| 指標 | 確認できる値・範囲 | 読み方 |
|---|---|---|
| EPS成長 | +30.2% | 分割換算と株式数の変化に注意 |
| ROIC | 本短信に当該期の開示値なし | 税率・投下資本の仮定による推計は行わない |
| PER推移 | 算定せず | 同一時点の株価と比較期間を確認していないため |
2026年9月30日の発行済株式数は100,216,368株、自己株式数は3,150,652株。EPSは期中平均株式数を使うため、期末株式数で純利益を単純に割った値とは一致しない。利益の比較と株式数の変化は区別する。
ポジティブ要因
単体コア業務純益は167.02億円で前年114.59億円から増加した。貸出利息と役務収益の拡大が、費用増の中でも基礎的な利益を支えた。連結経常利益予想は302億円から322億円、純利益は195億円から208億円へ修正している。
リスク要因
単体の与信関係費用は60.94億円で、前年のマイナス0.27億円から大きく増えた。株式関係損益71.61億円の利益と、債券関係損益18.89億円の損失も並存する。信用費用の増加と株式売却益の増加を一つの「銀行好調」でまとめると、利益の持続性を見誤りやすい。
業界動向との関連
利上げは貸出利息を増やす一方、預金金利や債券評価に負担をかける。同行では貸出金が期末4兆3,578億円へ増加した。残高拡大が将来の利息収入を支えるか、与信コストを増やすかは別に追う必要があり、同業の増益率だけではリスクを比較できない。
株価への示唆
3月末からの自己株式取得は資本とEPSの分母の双方に影響する。EPS106.43円は前年の81.72円を上回るが、純利益の伸び27.8%とEPSの伸び約30.2%には差がある。4月1日の1対3分割後に換算したEPS同士で比較し、分割による見かけの増減を避ける。
2027年3月期の年間予想は1株86.00円。配当の実績と会社予想を区別し、利益成長率から将来の1株配当額を逆算しない。
今期の総括
コア利益が伸びる一方、信用費用と有価証券損益の変動が大きかった。純利益の増加だけでは捉えきれない資本変動もあり、増益の内容と資本余力の両方を見る決算となった。
来期見通し
連結経常収益1,290億円、経常利益322億円、純利益208億円を予想。中間43円実績、期末43円・年間86円予想を開示した。過去の分割前配当を単純に差し引いて増配額を算定しない。次年度予想は今回なく、当期はコア利益と信用費用のバランスが次の判断材料となる。
総合判断
中立。3月末からの自己株式取得は資本とEPSの分母の双方に影響する。経常増益の勢いと、信用・金利リスクを別々に確かめたい。
出典
- 武蔵野銀行 公式IR・決算資料:2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年11月6日開示。
- 武蔵野銀行 第1四半期決算短信:単独四半期の差額算定に使用。