決算サマリー
対象は2026年4~9月の連結累計実績。会計基準はIFRSで、一般企業の営業利益に置き換えず、収益と税引前利益を使う。
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 収益 | 10,575.15億円 | 9,025.59億円 | 17.2%増 |
| 税引前利益 | 3,243.06億円 | 2,121.04億円 | 52.9%増 |
| 純利益(親会社所有者帰属) | 2,305.72億円 | 1,658.01億円 | 39.1%増 |
| EPS(基本的) | 356.70円 | 263.77円 | 35.2%増 |
通期業績予想は、市場変動の影響が大きいことを理由に非開示。通期予想に対する進捗率は算出しない。EPSは2025年12月の1対2の株式分割を前年期首に実施したと仮定した数値である。
セグメント
| 事業 | 当期収益 | 前年同期比 | 当期税引前損益 |
|---|---|---|---|
| 金融サービス | 8,297.46億円 | 17.3%増 | 2,002.33億円 |
| 資産運用 | 262.05億円 | 40.7%増 | 64.97億円 |
| PE投資 | 1,812.83億円 | 28.5%増 | 1,530.88億円 |
| 暗号資産 | 230.83億円 | 30.1%減 | 15.95億円の損失 |
| 次世代 | 261.90億円 | 82.8%増 | 24.57億円 |
金融サービスの税引前利益は前年の1,180.26億円から2,002.33億円へ増えた。PE投資も1,105.47億円から1,530.88億円へ拡大し、両事業が増益を支えた。暗号資産の損失は前年の1.47億円から15.95億円へ広がっている。
セグメント収益の合計は10,865.07億円で、消去・全社調整△289.92億円を反映した連結収益が10,575.15億円となる。税引前利益も事業合計3,606.80億円から全社調整△363.74億円を差し引く。事業別の利益をそのまま連結利益として足し上げない。
財務安全性
総資産は39兆9,628.53億円、親会社所有者帰属持分は1兆9,450.26億円。持分比率は前期末4.7%から4.9%となった。銀行・証券を含む金融グループのため、この比率だけで一般事業会社のように資本不足と判断することはできない。銀行の規制資本や各社の流動性とは区別して読む。
営業キャッシュ・フローは7,376.75億円の流入、投資キャッシュ・フローは1兆1,761.27億円の流出、財務キャッシュ・フローは2,703.38億円の流入。期末の現金同等物は6兆2,293.48億円で、前期末から1,712.32億円減少した。営業収支には顧客預金や銀行借入の変動が含まれ、事業会社の利益の現金化と同じ尺度では評価しない。
定量評価
税引前利益の伸び52.9%に対し、親会社所有者帰属利益の伸びは39.1%、EPSの伸びは35.2%だった。利益全体と普通株1株の利益では増加率が異なる。通期予想がないため、中間EPSを単純に倍にして年間利益やPERを推計しない。
ポジティブ要因
金融サービスの税引前利益が69.7%増加しており、PE投資だけに依存した増益ではない。資産運用も税引前利益64.97億円と87.9%増えた。利益源が複数ある点は評価材料になる。
中間配当は30円、期末予想は80円、年間予想は110円。前年中間配当40円は分割前の金額で、分割調整後20円との比較では10円の増配となる。
リスク要因
PE投資の税引前利益は1,530.88億円と大きく、投資先の評価や市場環境の変化がグループ利益に及ぼす影響を軽視できない。証券・銀行・保険を束ねる金融サービスにも、取引動向、調達コスト、信用費用の変化が波及し得る。
暗号資産事業では収益減と損失拡大が同時に起きた。グループの増益を、そのまま暗号資産関連サービスの採算改善と読み替えない。
業界動向との関連
今回の金融サービス増益は、同事業の収益17.3%増を上回った。ただし事業には証券・銀行・保険が含まれるため、金利変動だけを増益理由と断定できない。次の説明資料では銀行の利ざや、証券の取引収益、信用費用を分けて確認したい。
株価への示唆
増益と年間配当予想110円は判断材料になる。ただし市場の事前予想や発表後の株価を照合していないため、好反応や割安とは断定しない。今後も金融サービスが利益を伸ばし、投資損益の反動を吸収できるかが評価の分かれ目になる。
今期の総括
2027年3月期中間期は金融サービスとPE投資が増益をけん引した。収益の拡大以上に税引前利益が増えた一方、暗号資産の赤字や事業ごとの損益の振れが残る決算だった。
来期見通し
今回の短信では来期予想は示されていない。今期通期も業績予想は非開示であり、確認できる株主還元の見通しは年間配当予想110円。将来利益を中間実績から機械的に延長せず、事業別利益の継続性を追う。
総合判断
投資スタンスは中立。金融サービスの増益と配当予想を評価しつつ、PE投資の利益変動と暗号資産の損失拡大を織り込む。次回は金融サービスの増益が続くか、投資損益に偏らず親会社所有者帰属利益を維持できるかを確認する。
出典
- SBIホールディングス IRライブラリ:「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」、2026年11月2日開示。