決算サマリー
対象は2026年4月1日〜9月30日の連結累計です。純利益は親会社株主・当社への帰属利益です。会社計画は最新の通期予想であり、進捗率は季節性や一時損益を調整していません。会社が表記する「2026年度」は2026年4月〜2027年3月の事業年度で、本稿では2027年3月期として整理しています。
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 73,621.54億円 | 67,727.13億円 | +8.7% | 150,800.00億円 | 48.8% |
| 営業利益 | 8,300.73億円 | 9,450.29億円 | -12.2% | 17,300.00億円 | 48.0% |
| 税引前利益 | 7,663.81億円 | 8,893.05億円 | -13.8% | 15,200.00億円 | 50.4% |
| 純利益 | 5,001.93億円 | 5,956.51億円 | -16.0% | 9,940.00億円 | 50.3% |
| EPS | 6.15円 | 7.20円 | -14.6% | 12.20円 | 50.4% |
セグメント
| 事業区分 | 当期外部売上・収益 | 前年同期 | 当期セグメント利益 | 前年同期利益・損失 |
|---|---|---|---|---|
| 総合ICT | 31,312.42億円 | 28,928.07億円 | 4,820.52億円 | 4,747.22億円 |
| グローバル・ソリューション | 25,149.19億円 | 22,477.33億円 | 1,441.67億円 | 2,689.77億円 |
| 地域通信 | 12,208.07億円 | 12,105.30億円 | 1,882.47億円 | 1,875.40億円 |
| その他(不動産、エネルギー等) | 4,951.86億円 | 4,216.43億円 | 295.02億円 | 349.11億円 |
営業収益は外部顧客向けです。セグメント利益合計8439.68億円から取引消去138.95億円を差し引くと、連結営業利益8300.73億円になります。金融収益・金融費用・持分法利益はその後に税引前利益へ反映されます。
財務安全性
総資産48兆7333.15億円、資本合計10兆3927.74億円、親会社所有者に相当する株主資本比率は20.3%でした。営業CF463.62億円、投資CF△1兆4103.34億円、財務CF1兆6200.21億円、期末現金同等物2兆1726.86億円です。銀行業の預金を含む連結負債を、すべて通常の借入金として集計しない点にも注意が必要です。
定量評価
| 指標 | 確認値 | 比較条件 |
|---|---|---|
| EPS成長率 | -14.6% | 基本的EPSの前年同期比 |
| 営業利益率 | 11.27% | 前年同期13.95% |
| ROIC | 今回の短信に開示なし | 投下資本や税率の推定で補完しない |
| PER推移 | 同時点の市場データ未確認 | 決算だけで割安・割高を断定しない |
営業利益率は前年の13.95%から11.27%へ低下しました。EPSは6.15円で前年7.20円から14.6%減少しています。通期営業利益の進捗48.0%は最新の修正計画との比較であり、上期を単純に2倍した予想ではありません。
ポジティブ要因
総合ICTの外部収益は3兆1312.42億円へ8.2%増え、セグメント利益も4820.52億円へ1.5%増加しました。地域通信も利益1882.47億円と横ばいを上回っています。会社は足元の販売好調による総合ICTの収入増を、通期予想の引き上げ理由に挙げています。
リスク要因
グローバル・ソリューションの外部収益は11.9%増えましたが、利益は2689.77億円から1441.67億円へ46.4%減少しました。金融費用も1513.03億円へ増えています。営業CFは463.62億円にとどまり、前年9777.50億円から大きく減少しました。増収だけでは利益や資金収支の改善を確認できません。
業界動向との関連
NTTは国内の通信だけでなく、システム開発、グローバルITサービス、データセンター、銀行などを連結しています。通信契約の動向に加え、法人案件の採算と投資、銀行業の貸出・預金も連結財務へ影響します。異なる事業の資金収支を含むため、連結CFを通信事業単体の収支と同じものとして読むことはできません。
株価への示唆
通期計画の上方修正は評価材料ですが、修正後の当社帰属利益9940億円も前期比4.1%減益の予想です。上方修正を増益予想への転換と読むことはできません。総合ICTの収益と、グローバル・ソリューションの利益、資金回収の回復が確認点です。
同時点の株価・市場予想との比較は今回検証していません。業績の増減率をそのまま株価の変化率とすることはできません。
今期の総括
営業債権等の増加によるCFの減少は7116.02億円で、銀行業の貸出増加は3888.55億円の支出、預金増加は3064.99億円の収入でした。営業CFの落ち込みにはこうした運転資金と銀行業の要因が含まれます。投資CFは1兆4103.34億円の支出、財務CFは1兆6200.21億円の収入です。
来期見通し
通期営業収益を15兆800億円、営業利益を1兆7300億円、税引前利益を1兆5200億円、当社帰属利益を9940億円へ修正しました。5月8日公表の前回計画比では、それぞれ0.1%、1.2%、1.3%、1.4%の引き上げです。年間配当予想5.40円(中間実績2.70円・期末予想2.70円)は変更していません。前年年間5.30円から0.10円増配の計画です。
2028年3月期の数値予想は今回の短信には示されていません。
総合判断
中立。国内通信の収益基盤を保ちながら、法人ICTやグローバル事業の増収を利益・資金回収につなげられるかが成長の確認軸です。投資と借入の増加を伴っているため、需要の拡大だけでなく営業利益率とCFの回復を確認します。
関連ページ
出典
- NTT IRライブラリー「2026年度 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年11月4日公表)。
確認日:2026年11月4日(日本時間)。