NTT 2027年3月期中間決算増収・減益。上方修正と営業CFの変化を確認。営業利益は8,300.73億円、前年同期比-12.2%。2026年11月4日開示|2027年3月期中間決算NTT(9432)増収・減益。上方修正と営業CFの変化を確認営業利益8,300.73億円前年同期比-12.2%年間配当予想 5.4円利益の要因と会社計画を確認。進捗率は着地の予測ではありません。kabutrack.com

決算サマリー

対象は2026年4月1日〜9月30日の連結累計です。純利益は親会社株主・当社への帰属利益です。会社計画は最新の通期予想であり、進捗率は季節性や一時損益を調整していません。会社が表記する「2026年度」は2026年4月〜2027年3月の事業年度で、本稿では2027年3月期として整理しています。

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
営業収益73,621.54億円67,727.13億円+8.7%150,800.00億円48.8%
営業利益8,300.73億円9,450.29億円-12.2%17,300.00億円48.0%
税引前利益7,663.81億円8,893.05億円-13.8%15,200.00億円50.4%
純利益5,001.93億円5,956.51億円-16.0%9,940.00億円50.3%
EPS6.15円7.20円-14.6%12.20円50.4%

セグメント

事業区分当期外部売上・収益前年同期当期セグメント利益前年同期利益・損失
総合ICT31,312.42億円28,928.07億円4,820.52億円4,747.22億円
グローバル・ソリューション25,149.19億円22,477.33億円1,441.67億円2,689.77億円
地域通信12,208.07億円12,105.30億円1,882.47億円1,875.40億円
その他(不動産、エネルギー等)4,951.86億円4,216.43億円295.02億円349.11億円

営業収益は外部顧客向けです。セグメント利益合計8439.68億円から取引消去138.95億円を差し引くと、連結営業利益8300.73億円になります。金融収益・金融費用・持分法利益はその後に税引前利益へ反映されます。

財務安全性

総資産48兆7333.15億円、資本合計10兆3927.74億円、親会社所有者に相当する株主資本比率は20.3%でした。営業CF463.62億円、投資CF△1兆4103.34億円、財務CF1兆6200.21億円、期末現金同等物2兆1726.86億円です。銀行業の預金を含む連結負債を、すべて通常の借入金として集計しない点にも注意が必要です。

定量評価

指標確認値比較条件
EPS成長率-14.6%基本的EPSの前年同期比
営業利益率11.27%前年同期13.95%
ROIC今回の短信に開示なし投下資本や税率の推定で補完しない
PER推移同時点の市場データ未確認決算だけで割安・割高を断定しない

営業利益率は前年の13.95%から11.27%へ低下しました。EPSは6.15円で前年7.20円から14.6%減少しています。通期営業利益の進捗48.0%は最新の修正計画との比較であり、上期を単純に2倍した予想ではありません。

ポジティブ要因

総合ICTの外部収益は3兆1312.42億円へ8.2%増え、セグメント利益も4820.52億円へ1.5%増加しました。地域通信も利益1882.47億円と横ばいを上回っています。会社は足元の販売好調による総合ICTの収入増を、通期予想の引き上げ理由に挙げています。

リスク要因

グローバル・ソリューションの外部収益は11.9%増えましたが、利益は2689.77億円から1441.67億円へ46.4%減少しました。金融費用も1513.03億円へ増えています。営業CFは463.62億円にとどまり、前年9777.50億円から大きく減少しました。増収だけでは利益や資金収支の改善を確認できません。

業界動向との関連

NTTは国内の通信だけでなく、システム開発、グローバルITサービス、データセンター、銀行などを連結しています。通信契約の動向に加え、法人案件の採算と投資、銀行業の貸出・預金も連結財務へ影響します。異なる事業の資金収支を含むため、連結CFを通信事業単体の収支と同じものとして読むことはできません。

株価への示唆

通期計画の上方修正は評価材料ですが、修正後の当社帰属利益9940億円も前期比4.1%減益の予想です。上方修正を増益予想への転換と読むことはできません。総合ICTの収益と、グローバル・ソリューションの利益、資金回収の回復が確認点です。

同時点の株価・市場予想との比較は今回検証していません。業績の増減率をそのまま株価の変化率とすることはできません。

今期の総括

営業債権等の増加によるCFの減少は7116.02億円で、銀行業の貸出増加は3888.55億円の支出、預金増加は3064.99億円の収入でした。営業CFの落ち込みにはこうした運転資金と銀行業の要因が含まれます。投資CFは1兆4103.34億円の支出、財務CFは1兆6200.21億円の収入です。

来期見通し

通期営業収益を15兆800億円、営業利益を1兆7300億円、税引前利益を1兆5200億円、当社帰属利益を9940億円へ修正しました。5月8日公表の前回計画比では、それぞれ0.1%、1.2%、1.3%、1.4%の引き上げです。年間配当予想5.40円(中間実績2.70円・期末予想2.70円)は変更していません。前年年間5.30円から0.10円増配の計画です。

2028年3月期の数値予想は今回の短信には示されていません。

総合判断

中立。国内通信の収益基盤を保ちながら、法人ICTやグローバル事業の増収を利益・資金回収につなげられるかが成長の確認軸です。投資と借入の増加を伴っているため、需要の拡大だけでなく営業利益率とCFの回復を確認します。

関連ページ

出典

  • NTT IRライブラリー「2026年度 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年11月4日公表)。

確認日:2026年11月4日(日本時間)。