決算サマリー

項目2026年3月期実績前期比2027年3月期予想進捗率
売上高162.82億円+12.0%未開示該当なし
営業利益18.13億円+20.9%未開示該当なし
経常利益18.43億円+16.0%未開示該当なし
純利益11.00億円+8.2%未開示該当なし
EPS33.92円+10.1%未開示該当なし
年間配当27円分割考慮が必要29円該当なし

通期決算では会社計画欄に次期予想を置いていますが、今回いただいたデータでは2027年3月期の業績予想数値は未提示です。配当予想は年間29円、配当性向予想は80.3%です。なお、2025年4月1日付で1株を2株にする株式分割が実施されているため、配当の前年比較は分割影響を考慮する必要があります。

定量評価

指標2026年3月期2025年3月期見方
EPS33.92円30.80円純利益増により上昇。
ROE10.4%9.4%10%台へ改善。
ROA12.5%11.2%資産効率も改善。
売上高営業利益率11.1%10.3%収益性が一段改善。
自己資本比率69.6%74.3%低下したが高水準を維持。

売上高は12.0%増、営業利益は20.9%増であり、売上成長を上回る利益成長となりました。営業利益率の改善が、決算の質を高めています。

ポジティブ要因

2桁増収増益

売上高は162.82億円、営業利益は18.13億円となり、いずれも2桁成長でした。DX、人的資本、事業承継、M&A、経営コンサル需要の拡大が追い風になっていると見られます。

利益率と資本効率が改善

売上高営業利益率は10.3%から11.1%へ改善しました。ROEも9.4%から10.4%へ上昇しており、成長だけでなく資本効率の改善も確認できます。

高財務体質を維持

総資産151.69億円、純資産113.72億円、自己資本比率69.6%です。前期の74.3%からは低下しましたが、コンサルティング会社としては引き続き厚い財務基盤を持っています。

リスク要因

高配当性向

2026年3月期の配当性向は79.6%、2027年3月期予想でも80.3%です。株主還元姿勢は強い一方、利益成長が鈍化した場合は配当余力への見方が厳しくなる可能性があります。

現金残高の減少

現金及び現金同等物の期末残高は64.90億円で、前期の76.65億円から減少しました。営業CFは14.08億円のプラスですが、投資CF-10.88億円、財務CF-14.95億円により手元資金は減っています。

人材依存型ビジネスの制約

コンサルティング事業は人材採用、育成、稼働率、単価が業績を左右します。需要が強くても、コンサルタント人材の確保や品質維持が追いつかない場合、成長率や利益率に制約が出る可能性があります。

財務安全性

財務安全性では、総資産151.69億円、純資産113.72億円、自己資本比率69.6%を確認します。1株当たり純資産は328.77円で、前期の326.05円から小幅に増加しました。

キャッシュ・フローは営業CF14.08億円、投資CF-10.88億円、財務CF-14.95億円、現金及び現金同等物の期末残高64.90億円です。営業CFは黒字を維持していますが、投資と還元により現金残高が減少しているため、成長投資と株主還元のバランスが今後の確認点です。

業界動向との関連

コンサルティング業界では、DX、人的資本経営、サステナビリティ、事業承継、M&A、組織開発などのテーマが継続的な需要を生んでいます。タナベコンサルティンググループは中堅・中小企業向けを含む経営支援に強みがあり、構造的な需要拡大の恩恵を受けやすい位置にあります。

一方で、業界全体では人材獲得競争が激しく、報酬水準や採用コストの上昇が利益率を圧迫する可能性があります。今期は営業利益率が改善したため、この改善を持続できるかが重要です。

株価への示唆

今回の決算は、2桁増収増益、営業利益率改善、ROE10%台という点で評価されやすい内容です。高配当性向を維持する還元姿勢も、インカム目的の投資家には下支え材料になります。

ただし、配当性向が約80%と高いため、株価評価では利益成長の持続性が重要になります。2027年3月期の配当予想は29円ですが、業績予想の詳細が確認できない場合は、配当維持の前提となる利益計画を追加確認したい局面です。

今期の総括

2026年3月期は、売上高162.82億円、営業利益18.13億円、純利益11.00億円となり、2桁増収増益で着地しました。営業利益率11.1%、ROE10.4%、ROA12.5%と、収益性・資本効率の改善が見られます。

財務面では自己資本比率69.6%と高水準ですが、現金残高は減少しました。成長投資と高配当還元を両立しながら、どこまで利益成長を継続できるかが焦点です。

来期見通し

2027年3月期の業績予想数値は、今回いただいた抽出データでは確認できませんでした。一方、年間配当予想は29円、配当性向予想は80.3%です。

株式分割後も増配基調を維持する方針はポジティブですが、配当性向が高いため、来期の売上成長率、営業利益率、採用・人件費負担、M&Aや投資の効果を確認する必要があります。

総合判断

総合判断はポジティブ寄りの中立である。2桁増収増益、営業利益率改善、ROE10%台、高財務体質は明確な評価材料です。DX・人的資本・事業承継などの需要テーマも追い風です。

一方で、高配当性向、現金残高減少、人材依存型ビジネスの成長制約には注意が必要です。利益成長が続けば高還元は魅力になりますが、成長が鈍ると配当負担が意識されやすいため、今後は利益率とキャッシュ創出の持続性を重視したい局面です。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、タナベコンサルティンググループ、開示日: 2026-05-13