ヤマダホールディングス(9831)2027年3月期中間期の決算と確認点 営業利益32.1%増、家電需要と資産売却を分ける。通期予想修正を受けても、前倒し需要の反動と住宅事業の採算を確かめたい。 2026年11月6日 決算発表 | 2027年3月期中間期 ヤマダホールディングス(9831) 営業利益32.1%増、家電需要と資産売却を分ける売上高8802.47億円営業利益286.24億円EPS32.44円 通期予想修正を受けても、前倒し需要の反動と住宅事業の採算を確かめたい。 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率通期会社予想進捗率
売上高8802.47億円8000.99億円+10%17800億円49.5%
営業利益286.24億円216.71億円+32.1%515億円55.6%
経常利益300.90億円239.95億円+25.4%526億円57.2%
純利益215.62億円127.80億円+68.7%328億円65.7%
EPS32.44円18.73円+73.2%49.33円―

金額は公式開示を億円へ換算した。増減率は会社開示値を基本とし、EPSなどの計算値は表示値を用いた概算。端数処理のため金額から再計算した率に小幅な差がある。進捗は累計実績を通期会社予想で割った単純計算で、季節性や費用発生の時期を示すものではない。

単独四半期では、7〜9月の売上高は約4,600.29億円、営業利益は約129.82億円。4〜6月比(QoQ)はそれぞれ+9.5%、-17.0%となる。中間累計から第1四半期を差し引いた概算で、季節性や費用計上時期も含む。

セグメント

事業・区分当期売上前年同期当期利益前年同期利益
デンキ6,965.88億円6,432.66億円240.93億円183.79億円
住建1,623.46億円1,377.02億円26.07億円15.46億円
金融19.63億円19.59億円5.79億円6.51億円
環境139.14億円118.29億円12.06億円9.12億円
その他54.34億円53.41億円0.84億円1.02億円

外部顧客向け売上。デンキの事業概況7,007.65億円は内部売上を含み、ここでは6,965.88億円。利益合計に調整53百万円等を反映し、連結営業利益286.24億円となる。百万円未満切捨てによる端数差を含む。

デンキと住建が増収増益、金融とその他は減益となった。エアコンの販売、粗利の高いPB・SPA商品の展開、EC見直し等がデンキの採算改善に寄与した。LIFE SELECTの出店が下期に集中するため、店舗改革の効果と開業費用の時期を合わせて読む必要がある。

財務安全性

自己資本比率48.9%、純資産6,506.36億円。総資産は1兆3,136.15億円となった。資産売却による収益や保有資産の変動があるため、営業利益286.24億円をそのまま現金創出とみなさない。本短信に中間CF計算書はなく、当期営業CFの数値を独自に推計しない。

定量評価

EPSは32.44円で、前年同期18.73円との比較は+73.2%。最終利益の変化に加え、期中平均株式数の影響も受ける。営業利益率は約3.3%(前年約2.7%)。売上の規模と採算を分けて評価する。

指標確認できる値・範囲読み方
EPS成長+73.2%分割換算と株式数の変化に注意
ROIC本短信に当該期の開示値なし税率・投下資本の仮定による推計は行わない
PER推移算定せず同一時点の株価と比較期間を確認していないため

2026年9月30日の発行済株式数は966,863,199株、自己株式数は301,843,535株。EPSは期中平均株式数を使うため、期末株式数で純利益を単純に割った値とは一致しない。利益の比較と株式数の変化は区別する。

ポジティブ要因

営業利益率は約3.3%で前年約2.7%から改善した。デンキの利益240.93億円、住建26.07億円が増え、最終利益だけでなく本業の営業増益も確認できる。会社は資産売却益等を除いた最終利益も二桁増益と説明するが、独自の調整額を足して再計算しない。

リスク要因

エアコン等の前倒し需要後に買い替えが弱まる可能性がある。パソコンでは前年特需の反動が見られた。震災関連で約6億円の特別損失も計上している。店舗投資、住宅事業の採算、資産売却の損益は性質が異なり、一つの利益成長率でまとめて判断しにくい。

業界動向との関連

家電販売は商品別の買い替え周期や省エネ需要に左右され、住宅・金融・環境は別の収益構造を持つ。同社の増益を小売需要全体の回復と広げず、デンキの客数・粗利と住建の案件採算を分けたい。自社ECの利益改善とEC売上規模の増大も同じ意味ではない。

株価への示唆

純利益215.62億円の伸び68.7%は、営業利益32.1%増より大きい。資産売却や税負担など利益段階の違いを確認する。EPS32.44円は株式数の減少の影響も含むため、最終利益の成長率と一致しない。下期の店舗投資と資産効率改善が継続収益へつながるかが確認点になる。

2027年3月期の年間予想は1株17.00円。配当の実績と会社予想を区別し、利益成長率から将来の1株配当額を逆算しない。

今期の総括

店舗・EC改革と商品販売が営業利益を押し上げ、最終利益には資産売却等も加わった。前倒し需要の後の販売と住建の採算を確認し、利益の持続性を測る決算となった。

来期見通し

通期売上1兆7,800億円、営業利益515億円、純利益328億円へ予想を修正した。上期営業利益の進捗は55.6%。中間0円実績、期末17円・年間17円予想は変更なし。2028年3月期の数値予想は今回未公表。資産売却の進捗と通常営業の改善を分けて評価したい。

総合判断

中立。純利益215.62億円の伸び68.7%は、営業利益32.1%増より大きい。通期予想修正を受けても、前倒し需要の反動と住宅事業の採算を確かめたい。

出典