決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 2027年3月期会社予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 8425.12億円 | 8018.11億円 | +5.1% | 8760.00億円 | 該当なし |
| EBITDA | 657.07億円 | 618.93億円 | +6.2% | 691.50億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 468.31億円 | 444.96億円 | +5.2% | 488.00億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 462.20億円 | 438.35億円 | +5.4% | 481.00億円 | 該当なし |
| 純利益 | 313.92億円 | 307.50億円 | +2.1% | 321.50億円 | 該当なし |
| EPS | 268.36円 | 262.91円 | +2.1% | 274.87円 | 該当なし |
通期決算の会社計画欄には翌期予想を置いているため、進捗率は該当なしとした。売上と営業利益はそろって伸びているが、純利益の伸びは営業段階より小さい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +2.1% | 当期EPS268.36円、前年同期EPS262.91円 | 増益は続くが、EPSの伸びは緩やかである。 |
| ROE | 11.3% | 前期11.8% | 2桁ROEを維持したが、前期比ではやや低下した。 |
| 簡易ROIC | 約6.9% | 営業利益468.31億円、総資産4755.05億円、税率30%仮定 | 投下資本の厳密値ではなく、総資産ベースの参考値である。 |
| 営業利益率 | 5.6% | 前期5.5% | 取引条件改善もあり、わずかに改善した。 |
数字の印象は「安定しているが急伸ではない」。売上成長、利益率、資本効率のどれも崩れてはいないが、株価評価を大きく変えるには来期の利益伸長をもう一段確認したい内容である。
ポジティブ要因
両事業で増収増益を確保
ドラッグストア事業は売上高5393.79億円(前年比+4.3%)、営業利益274.81億円(同+3.1%)となった。ディスカウントストア事業も売上高3641.21億円(同+6.4%)、営業利益193.50億円(同+8.4%)と伸びている。
粗利率改善が利益を支えた
ドラッグストア事業では前期末からの取引条件改善により売上総利益率が0.2ポイント向上した。ディスカウントストア事業でもドラッグストア商材の取引条件改善などで売上総利益率が0.3ポイント改善している。
店舗網の更新を継続
当期は73店舗を新規出店し、79店舗を改装、21店舗を閉店した。期末店舗数はドラッグストア事業1155店舗、ディスカウントストア事業439店舗、合計1594店舗である。店舗数だけでなく、改装による既存店活性化も確認点になる。
リスク要因
消費環境と競争環境
物価上昇による節約志向、同業他社との出店競争、大手同士の業界再編、他業態との競争は続いている。食品や日用品の価格訴求が強みである半面、値下げ競争に巻き込まれると利益率は上がりにくい。
季節商材のぶれ
ドラッグストア事業では感冒薬など季節商材、ディスカウントストア事業では季節家電が天候の影響を受けた。安定需要の小売銘柄に見えても、四半期ごとの商品構成はそれなりに揺れる。
投資負担とキャッシュ
営業キャッシュ・フローは432.97億円のプラスだが、投資キャッシュ・フローは320.76億円のマイナスだった。出店・改装を続けるモデルでは、利益だけでなく投資後のフリーキャッシュ・フローを見たい。
財務安全性
総資産は4755.05億円、純資産は2860.01億円、自己資本比率は60.1%で、財務の厚みは高い水準にある。現金及び現金同等物は705.23億円、営業CFは432.97億円のプラスだった。投資CFのマイナスは出店・改装を続ける小売業として自然な面もあるが、投資回収が既存店利益率に表れるかは継続確認が必要である。
業界動向との関連
ドラッグストア業界は、調剤、食品、EC、ディスカウント業態との境界が薄くなり、価格競争と業界再編が同時に進む局面にある。サンドラッグはドラッグストアとディスカウントストアの二本立てで節約志向を取り込める一方、食品の粗利、調剤・ECの収益化、店舗網の効率が評価を分ける。
株価への示唆
今期実績EPSは268.36円、2027年3月期会社予想EPSは274.87円である。業績予想は増収増益だが、EPS成長率は+2.4%にとどまり、株価の反応は安定成長への評価と、成長鈍化への見方の綱引きになりやすい。PER水準や同業比較を別途確認しなければ割高・割安は判断できない。現時点では、既存店売上、粗利率、営業CF、配当継続性が評価の支えになるかを見るのが妥当である。
今期の総括
2026年3月期は、売上高8425.12億円、営業利益468.31億円、純利益313.92億円で増収増益だった。調剤・EC、食品、取引条件改善が支えた一方、純利益の伸びは+2.1%と小さく、利益成長の速度は落ち着いている。
来期見通し
2027年3月期は売上高8760.00億円(前年比+4.0%)、営業利益488.00億円(同+4.2%)、経常利益481.00億円(同+4.1%)、純利益321.50億円(同+2.4%)を会社は見込む。年間配当予想は132円で、2026年3月期実績131円から1円増配の計画である。大きな上振れを前提にした計画というより、店舗更新と粗利改善を積み上げる計画に近い。
総合判断
総合判断は中立である。財務安全性、営業CF、配当継続性は評価しやすいが、来期予想の利益成長は緩やかで、競争環境も軽くない。次回は既存店の伸び、粗利率、営業CF、出店・改装投資の回収を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成している。
- サンドラッグ「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、開示日: 2026年5月15日