本記事は、2026年6月11日に各社が開示した決算短信、訂正開示、および当サイトの個別四半期ノートを基にした一般的な整理です。個別銘柄の売買を推奨するものではありません。株式投資には価格変動、元本損失、流動性、業績下振れ、金利、為替、市況悪化などのリスクがあります。

今日の対象銘柄

コード会社名決算・開示内容今日の見方詳細
9627アインHD2026年4月期通期売上・営業利益とも大幅増。調剤・小売の規模拡大と利益率を確認。詳細
4194ビジョナル2026年7月期3Q増収増益。人材DXの成長性と高い利益水準を見る。詳細
215Aタイミー2026年4月期通期売上・利益は大きいが、前年比の見え方には注意。成長期待との比較が焦点。詳細
3491GA TECH2026年10月期中間売上は大きく伸びるが、経常・純利益は減益。利益の残り方を見る。詳細
7095Macbee Planet2026年4月期通期減収減益。高成長マーケ銘柄としては期待値調整が必要。詳細
8142トーホー2027年1月期1Q増収増益。業務用食品卸の需要と採算を確認。詳細
9692シーイーシー2027年1月期1Q売上・営業利益とも伸長。ITサービスの採算が焦点。詳細
8927明豊エンター2026年7月期3Q不動産で増収増益。進捗と在庫・金利感応度を見る。詳細
350Aデジタルグリッド2026年7月期3Q高い利益水準を維持。電力・需給管理テーマの継続性を見る。詳細
6184鎌倉新書2027年1月期1Q終活関連で増収増益。営業利益の伸びが目立つ。詳細
7131のむら産業2026年10月期中間増収大幅増益。包装・米関連需要と利益率を見る。詳細
2198IKK HD2026年10月期中間ブライダル関連。営業利益・純利益の伸びが大きい。詳細
3031ラクーンHD2026年4月期通期営業増益だが純利益は減益。EC・保証事業の質を見る。詳細
6309巴工業2026年10月期中間売上微減でも利益は底堅い。化学品・機械の採算を確認。詳細
3361トーエル2026年4月期通期売上微減でも営業増益。ガス・水の安定性を見る。詳細
77773Dマトリックス2026年4月期通期売上増と黒字転換。バイオ系として継続性と一過性を分ける。詳細
2776新都HD2027年1月期1Q売上急増・黒字転換。低位再生系として利益の質を見る。詳細
3070ジェリービーンズ2027年1月期1Q黒字転換だが貸付金・貸倒引当・資金流出を確認。詳細
4422VALUE NEX2026年7月期3Q売上+37%、黒字転換。小型SaaS・分析系として継続性を見る。詳細
9236ジャパンM&A2026年10月期中間増収・黒字転換。M&A仲介の案件継続性が焦点。詳細
7640トップカルチャ2026年10月期中間黒字転換。特別要因と本業改善を分けて読む。詳細
2375ギグワークス2026年10月期中間営業黒字転換。ただし純利益は大幅減で質を見る。詳細
6619W-SCOPE2027年1月期1Q売上急増でも赤字継続。電池材料の採算回復が焦点。詳細
7196Casa2027年1月期1Q売上増でも経常・純損失。保証事業の信用コストを確認。詳細
8077トルク2026年10月期中間減収減益。建設・設備関連の需要と粗利が焦点。詳細
3955イムラ2027年1月期1Q減収大幅減益。封筒・印刷系の需要減と採算を確認。詳細
5134POPER2026年10月期中間増収でも営業減益。教育SaaSの投資負担を見る。詳細
574ALASSIC2026年4月期通期増収でも営業減益。リモート開発・人材関連の採算を見る。詳細
3248アールエイジ2026年10月期中間減収減益。不動産賃貸・開発の採算を見る。詳細
9262シルバーライフ2026年7月期3Q増収だが利益は伸び悩み。高齢者食関連の採算を見る。詳細
3921ネオジャパン2027年1月期1Q増収増益。グループウェアの安定成長を確認。詳細
6535アイモバイル2026年7月期3Q増収減益。ふるさと納税・広告の利益率が焦点。詳細
1758太洋基礎2027年1月期1Q増収。特殊土木・基礎工事の採算を見る。詳細
5075アップコン2027年1月期1Q増収増益。地盤沈下修正工事の利益率を見る。詳細
272AグリーンクロスHD2026年4月期通期売上・営業利益規模は堅調。安全用品・工事資材の需要を見る。詳細
446Aノースサンド2027年1月期1QPDF抽出上は主要数値が限定的。個別資料確認が必要。詳細
9636きんえい2027年1月期1Q減収大幅減益。映画館・不動産の採算を確認。詳細
6503三菱電機訂正開示設備投資の記載訂正。通常決算とは別枠で処理。詳細

今日の主役は、アインHDとビジョナル

6月11日の決算でまず目に入るのは、アインHDとビジョナルです。

アインHDは、売上高6478.34億円、営業利益520.11億円。前年比では売上高+41.8%、営業利益+67.6%です。今日の開示群では規模が圧倒的に大きく、調剤薬局・ドラッグストア・小売の再編や店舗運営力を見る決算になります。

ただし、アインHDは「大幅増益だから強い」で終わらせにくい。調剤報酬、薬価改定、人件費、M&A、店舗効率の影響を受けます。市場が見るのは、売上規模の拡大がどこまで営業利益率に残るかです。

ビジョナルは、売上高731.57億円、営業利益196.12億円。売上+24.3%、営業利益+12.2%です。HRテック・転職サービス関連では、採用需要と広告・人材投資のバランスが問われます。

ビジョナルは利益水準が高く、決算の見栄えは良い。ただ、成長株としては「売上の伸びに対して営業利益の伸びがどれだけついてくるか」を見られます。強い会社ほど期待値も高い。ここからは数字の良さより、期待値を超えたかどうかです。

タイミー、GA TECH、Macbee Planetは期待値との勝負

タイミー、GA TECH、Macbee Planetは、今日のグロース寄り銘柄としてまとめて見たいところです。

タイミーは売上高210.06億円、営業利益38.12億円。スポットワーク市場の代表格で、テーマ性は強い。ただ、今回の自動抽出上は前年比が大きくマイナスに見えており、上場前後の比較や会計期間の見え方には注意が必要です。投資家が本当に見るべきなのは、ワーカー数や事業者数の拡大より、収益化の持続性と営業利益率です。

GA TECHは売上高1424.03億円で+28.5%、営業利益255.13億円で+24.5%。トップラインは強い。一方で、経常利益は38.63億円で-7.8%、純利益は37.59億円で-9.6%。売上と営業利益だけなら強く見えますが、最終的にどこまで利益が残るかは一段確認が必要です。

Macbee Planetは売上高505.79億円で-2.1%、営業利益36.50億円で-29.4%。マーケティングDX・LTV領域の成長株としては、減収減益は市場が嫌がりやすい。高成長株は、増収増益が普通に期待されます。そこから外れると、株価は決算そのものより期待値修正で動きやすくなります。

この3社を見る時の合言葉は、テーマより利益率です。人材、DX、不動産テック、マーケティング。どれも市場が好きな言葉ですが、いまは「利益として残ったか」を強く見られる地合いです。

食品・生活インフラ系は、地味だが数字は強い

トーホー、のむら産業、アイ・ケイ・ケイHD、巴工業、トーエル、シルバーライフは、派手なAI・DXテーマとは違うグループです。ただ、こういう銘柄ほど決算の質を見ると面白い。

トーホーは売上高678.44億円、営業利益20.52億円。売上+10.7%、営業利益+13.8%です。業務用食品卸は、外食需要、人件費、物流費、仕入れ価格の影響を受けます。売上が伸びて営業利益も伸びるなら、まずは素直に良い決算です。

のむら産業は売上高38.38億円、営業利益5.60億円。営業利益は+79.7%です。包装・米関連の需要と採算が効いた決算として読めます。こういう中小型は、売上規模より営業利益率と通期進捗を見たい。

アイ・ケイ・ケイHDは、売上高110.22億円、営業利益5.77億円。営業利益+60.1%、純利益+150.6%。ブライダル関連はコロナ後の需要回復が一巡した後、単価、件数、施設稼働率で評価が変わります。今回の数字は強いですが、次はこの利益水準が続くかです。

巴工業は売上微減でも営業利益はほぼ横ばい、経常・純利益は増益。トーエルも売上微減ながら営業増益。派手さはありませんが、売上が伸びない中で利益を守れる会社は、市場が地味に評価しやすいです。

黒字転換銘柄は、見出しだけで飛びつかない

今日の特徴は、黒字転換銘柄が多いことです。

3Dマトリックスは、売上高108.86億円で+57.0%、営業利益13.35億円で黒字転換。経常利益、純利益も黒字転換です。バイオ・医療材料系としてはかなり見栄えのする数字です。ただし、この分野は一過性要因、地域別売上、製品採算、資金繰りを分けて見る必要があります。

ジェリービーンズは、売上高18.01億円で+689.5%、営業利益0.46億円で黒字転換。ただ、ここは別記事でも整理した通り、貸倒引当金31百万円、長期貸付金130百万円、45百万円の資金流出事案が同時にあります。黒字転換は前進ですが、再生完了とは言いにくい。

VALUE NEXは売上高6.65億円で+37.0%、営業利益1.21億円で黒字転換。ジャパンM&Aも売上高5.26億円で+41.2%、営業利益1.42億円で黒字転換。どちらも小型グロースとして数字は良く見えます。

ただ、黒字転換銘柄で大事なのは1回の黒字ではありません。次の四半期も利益が出るのか。売掛金や在庫、営業CFに無理がないか。低位・小型・テーマ株ほど、ここを見ます。

減益・赤字銘柄は、売上より採算と資金耐久力

一方で、注意して読む銘柄も多いです。

W-SCOPEは売上高13.86億円で+83.2%ですが、営業損失3.64億円、経常損失20.28億円です。赤字幅は縮小していますが、まだ赤字です。電池材料テーマは市場が反応しやすい一方、事業としては稼働率、価格、為替、資金耐久力が重い。

Casaは売上高32.95億円で+4.5%ですが、経常損失1.48億円、純損失1.31億円。保証事業では、売上より信用コストや回収率が大事です。売上だけで安心しにくい決算です。

トルクは売上高106.06億円で-6.6%、営業利益3.26億円で-43.4%。イムラも売上高55.23億円で-2.1%、営業利益2.36億円で-53.8%。POPERは売上+3.3%でも営業利益-39.5%。売上が横ばいから微増でも、利益が大きく落ちる銘柄は、コスト構造の確認が先です。

アイモバイルも増収減益です。売上高192.08億円で+3.0%、営業利益33.77億円で-15.0%。ふるさと納税や広告関連は、制度変更、広告費、競争環境で利益率が動きます。増収だけでは評価しにくい。

訂正開示は三菱電機だけ別枠

三菱電機は、2026年3月期決算短信の一部訂正です。今回のノートでは、設備投資の記載訂正として扱っています。

訂正開示は、通常の決算ランキングに混ぜない方がいいです。営業利益や売上の良し悪しではなく、訂正が主要数値に影響するのか、注記・内訳・表示の修正なのかを分けます。

今回の6503は、通常決算の新規評価というより、開示資料の整合性確認として読む位置づけです。

明日以降の確認ポイント

今日の決算で強く見えるのは、アインHD、ビジョナル、トーホー、シーイーシー、明豊エンター、のむら産業、鎌倉新書、アップコンあたりです。売上と利益が同じ方向に伸びており、数字だけなら比較的読みやすい。

ただし、成長株は期待値との勝負です。ビジョナル、タイミー、GA TECH、Macbee Planetは、業績だけでなく市場が何を織り込んでいたかを見る必要があります。

黒字転換組は、次の四半期が大事です。3Dマトリックス、ジェリービーンズ、VALUE NEX、ジャパンM&A、トップカルチャ、ギグワークスは、短期資金が反応しやすい反面、利益の継続性を確認しないと評価は長続きしません。

減益・赤字組は、売上より採算です。W-SCOPE、Casa、トルク、イムラ、POPER、アイモバイルは、次回以降で利益率、営業CF、信用コスト、資金繰りを見たいところです。

まとめ

2026年6月11日の決算は、規模の大きい増益銘柄と、小型の黒字転換銘柄が同時に出た一日でした。

アインHDとビジョナルは、今日の中心銘柄。トーホー、のむら産業、鎌倉新書、シーイーシー、明豊エンターも数字は良い。一方で、Macbee Planet、アイモバイル、W-SCOPE、Casa、POPERは、売上より利益とキャッシュを見る決算です。

今日の合言葉は、黒字転換で終わらないことです。売上より利益、利益よりキャッシュ。そして訂正開示は別枠で処理する。短期の株価反応より、次の四半期で市場がどこを信用するかを見るための整理です。

出典

本記事は、2026年6月11日に開示された各社の決算短信、訂正開示、および当サイトの個別四半期ノートを基に作成しています。

本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。