「深く切り込む」を終値で確かめる
切り込み線は二本の足を比べる見方です。最初が陰線、その次が陽線となり、二本目の終値が最初の実体の中心を上回るかを見ます。始値が前の安値より低いことなど、窓の条件を厳しく取る定義もあります。使う資料やツールの条件をそろえて読む必要があります。
日中に一度中心を超えただけで、引けでは中心より低く戻る場合もあります。終値で成立を判定するなら、途中の高値を使って条件を満たしたことにはできません。
架空の二日間なら、中心は100円
一本目の始値110円、高値112円、安値89円、終値90円という独自例です。以降の価格も円で示します。実体の中心は(110+90)÷2=100です。二本目が始値85、高値103、安値83、終値102なら、前の安値より低く始まり、終値では中心100を2上回っています。
二本目の終値102は前の始値110には届いていません。最初の実体を丸ごと覆う陽の包み足と区別できる点です。逆に、二本目が98で終わった場合、中心には達していません。見た目で「大きく戻した」と感じることと、この条件を満たすことは一致しません。
陽線でも前の日の下落を全部戻してはいない
この例では、一本目の始値110から二本目の終値102までで8下げています。二本目だけを見れば85から102への大きな上昇でも、二日間全体では初日の始値を回復していません。直前の下落がさらに長ければ、そこからの戻りも一部分にとどまります。
足は価格の変化を要約したものです。買いが増えた理由、新規買いと空売りの買い戻しの内訳、悪材料が終わったかまでは分かりません。決算などの発表があるなら、その内容を別に読みます。
後の成功例だけで条件を変えない
切り込み線は下落からの反転候補として使われますが、次の日に二本目の安値を割る場合もあります。中心を少し下回っていた失敗例を除き、上昇した例だけを柔軟に含めると、形の有効性を過大評価してしまいます。
同じ時間軸、同じ始値と終値の条件で記録し、成立しなかった例や成立後に下げた例も比較します。過去に形が出た回数だけで将来の勝率は決まりません。取引コストや、形を確かめた後の購入価格も含めないと、形の説明を運用成績と取り違えます。
出典
用語の参考資料確認日:2026年10月23日。