含み損を確定したくない心理
売却すると損失が確定するため、「もう少し待てば戻るかもしれない」と考えることがあります。買値を基準にし続けると、現在の価格でその銘柄を新たに買いたいかという視点が抜ける場合があります。一方、含み損になったというだけで、企業価値や投資前提が崩れたとは限りません。
保有理由を点検する
個別株なら、業績見通し、競争力、財務、当初の購入理由が変わったかを確認します。投資信託やETFなら、指数の構成や費用、資産配分が目的に合っているかを見ます。投資期間や家計が変化して、資金を早く使う必要が生じている場合も、保有方針を見直す理由になります。
売却・保有を考える前に、次を整理します。
- 現在、その資産を持ち続ける根拠は何か
- 購入前に決めた見直し条件に当てはまるか
- 値下がりが続いた場合、家計や資産全体にどの影響があるか
- 「買値に戻ること」以外に保有を続ける理由があるか
損切り幅を機械的に決めても、価格の一時的な変動で売却になることがあります。反対に、長期保有を理由に必要な見直しを先送りするのも適切とは限りません。自分の投資計画に沿って判断し、理由を記録しておくと後から検証できます。
買った人の価格が、会社の将来を決めるわけではない
税・費用を除いた独自の例で、同じ株を100株ずつ、1,000円で買った人と700円で買った人が、現在800円の株を持っているとします。前者は含み損、後者は含み益ですが、これからの会社の業績が二人で変わるわけではありません。自分の買値だけを判断の中心にすると、この点が見えにくくなります。
800円から1,000円へ戻るには25%の上昇が必要です。この率は計算できても、回復する時期や確率はそこから分かりません。会社の前提が変わったのか、価格の振れだけなのかを調べる必要があります。
一律に何%下がれば売るという基準も、商品や投資目的によっては短い値動きで売買を繰り返す原因になります。逆に資金の必要時期が近づいたなら、企業の見通しと別に換金を考える理由があります。「売れない自分を直す」だけを目標にせず、どの条件が判断を止めているのかを特定する方が、次の行動を整理しやすくなります。
参考資料
参考資料の確認日:2026年10月23日。