卵を一つのかごに盛るな

一社だけの問題を、資産全体の問題にしない

税・費用を除いた独自の比較で、一つの会社へ100万円を投じ、その株価が半分になれば損失は50万円です。5社へ20万円ずつ分け、一社だけ半値になり、残り4社が変わらないなら、全体の損失は10万円に収まります。これは分散が働く場面を示す架空例です。

ただし5社すべてが半値なら、全体でも50万円の損失になります。分散が和らげるのは主に、個々の投資先に固有の不調です。市場全体の下落や、同じ業界へ共通する打撃まで消せるわけではありません。

銘柄数が増えても、同じかごの場合がある

例えば半導体メーカーを複数持てば一社への集中は減りますが、同じ需要減少の影響を受ける場合があります。国内株の指数型ファンドと国内の大型株を組み合わせても、同じ銘柄の比率が重なっているかもしれません。

投資信託の商品名が違う場合も、組入上位銘柄、国・地域、業種、通貨を見れば重複が分かります。商品を一本増やすたびに分散が進むとは限りません。ファンドが何に投資しているかを確認したうえで、全体で大きくなりすぎた部分を探します。

資産と購入時期も分けて考える

株式と債券、国内と海外など、値動きの背景が異なるものを組み合わせる方法もあります。ただし危機の際には同時に下がることもあり、債券にも金利や信用のリスクがあります。海外資産なら為替の変動も重なります。

購入日を分ける積立は、投資先を分ける方法とは別です。一社の株を毎月買っても、一社への集中は残ります。逆に広く分散された商品でも、一度に買った直後の下落を避けられるとは限りません。

管理できる範囲で、中身の偏りを見る

分散のために商品を増やしすぎると、費用、売買履歴、資産配分を把握しにくくなります。まず各商品の残高を資産全体で割り、どの地域や業種にどれだけ向けているかを見る方法があります。分けた数を目標にするのではなく、一つの出来事が家計へ与える損失を抑えるために使う比喩です。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。