同じ口座内と、別の金融機関を分ける
源泉徴収ありの特定口座では、同じ口座内の年間損益などに応じて税が計算されます。一方、A社とB社の損益が自動で合算されるわけではありません。別の課税口座を通算するなら、確定申告の要件と年間取引報告書を確認します。
架空の例でA社の上場株式売却益が20万円、B社の対象となる売却損が8万円なら、通算後の利益は12万円です。2026年の居住者の個人を想定し、税率20.315%と実際の端数処理を省いた掛け算だけで概算すれば、通算前との税額差は1万6,252円。損した8万円そのものが返還される制度ではありません。
含み損、NISA、給与との相殺を混ぜない
保有したまま価格が下がった含み損は、譲渡損失と同じではありません。NISA口座の譲渡損失も、通算や繰越控除の対象外です。課税口座とNISAに同じ銘柄があっても、その損益をまとめることはできません。
また、上場株式等の譲渡損失を給与所得から自由に差し引けるわけではありません。一般株式等の区分や、相対取引などにも制限があります。まず損失がどの取引と口座で生じたかを特定する必要があります。
残る損失の繰越には、年をまたぐ手続きがある
2026年に対象の損失が残った場合、条件を満たせば翌年から3年間、2027~2029年の対象所得へ繰り越す形になります。毎年自動で持ち越されるわけではなく、必要書類を付けた確定申告を継続する必要があります。
繰越控除を使うには、損失が生じた年に必要書類を付けて申告し、その後も連続して申告します。株式の売却がなかった年も、繰越の手続きが必要です。年ごとの損失残額、申告した控除額、残る利用期間を記録し、報告書や申告書の控えを保存します。
配当を通算する場合は課税方法も確認する
上場株式等の配当所得を対象の譲渡損失と通算するには、申告分離課税を選択するなどの条件があります。配当を受け取っているから、すべての損失と自動で相殺できるとは限りません。
還付額だけを見て判断せず、申告する所得の範囲や必要な手続きを照合します。損失を確定させる取引自体にも売買費用と価格変動があるため、節税という言葉だけを目的に売買を増やす理由にはできません。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。