米国株配当の二重課税とは?外国税と国内税を分ける計算

二つの国の税を、同じ元本へ掛けるとは限らない

日本の居住者が国内証券会社の課税口座で通常の米国株配当を受け取る取扱いでは、米国での租税条約による源泉徴収と、日本での源泉徴収が関係します。商品や発行体の所在国、配当の性質などによって扱いが異なるため、米国市場で売買できる銘柄すべてへ同じ税率を当てはめるものではありません。

2026年の日本居住者について、米国側十%が適用され、その差引後へ国内二〇・三一五%の源泉徴収が行われる場合を仮定します。総合課税などを選んで申告する場合の最終税額とは区別します。

配当一万円が、約七千百七十二円になる単純例

配当の円換算総額を一万円と置くと、米国税千円を引いた残りは九千円です。国内税の単純計算は九千円×二〇・三一五%=千八百二十八・三五円で、手取りは七千百七十一・六五円になります。

外国税十%と国内税二〇・三一五%を単純に足して、一万円の三〇・三一五%を引く計算とは違います。実際には通貨、円換算、税額の端数処理、手数料等も関係するため、例の小数をそのまま入金額とするわけではありません。配当明細の総額と差引項目を読むための仮計算です。

外国税額控除は、外国税を必ず全額戻す制度ではない

課税口座の配当については、外国税額控除を申告して二重課税を調整する方法があります。ただし、控除には対象税や限度額などの条件があります。外国で千円引かれたなら、誰でも後で千円が戻ると決めることはできません。

この手続きは、国内の源泉徴収だけで自動完了するものではありません。外国税と国内税をそれぞれ資料へ対応させ、所得と控除の計算を含めて申告します。配当の年間合計だけを見て、外国税と国内税を別欄で対応させます。

NISAでも、外国税が残る場合がある

同じ一万円の配当で、NISAにより国内税が非課税となり、米国税千円だけが引かれる条件なら、受取額は九千円です。このNISAの配当について、外国税額控除を申告して千円を取り戻す扱いはできません。

高い税引前利回りの商品も、実際に再投資や生活費へ使えるのは税引後の金額です。外国税、国内税、費用と為替、さらに配当後の価格変動を分けて見れば、配当が出たことだけを資産全体の増加と取り違えずに済みます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。