変更した後の後悔だけを想像していないか
投資先を変えた直後に値下がりしたら、自分の判断を強く責めるかもしれません。反対に、ずっと持っていた商品が下がると「何もしていないので仕方ない」と感じる場合があります。しかし、その間も資金は同じリスクにさらされています。
現状維持バイアスは、現在の選択に偏りやすい傾向を扱う概念です。個別の行動を見ただけで心理の原因までは断定できません。見直しを避ける理由に、失敗への恐れ、調査の負担、実際の変更費用がどの程度含まれるかを分けて考えます。
現金を残す理由も確かめる
仮に現金200万円のうち、来年の学費に120万円、生活上の備えに60万円を確保しているとします。残るのは20万円です。「投資を始めないのは現状維持バイアスだ」と考えて200万円を動かせば、目的を見失います。支出に備えて現金を持つ合理的な理由があるからです。
一方、使い道もリスクの理解も確認せず、「以前から預金だから」で将来の資産形成の検討まで止めているなら、少額から学ぶなど比較の入口を作れます。どちらも売買するかどうかより、理由の中身を見ます。
感情と実務を別々にメモする
「変更したら後悔しそう」という感情欄と、「売却費用はいくらか」「商品は何に投資するか」という事実欄を分けます。買う理由と買わない理由の数をそろえても、重要な条件が抜けていれば判断は改善しません。
調べ直した結果、現状が最も合っていれば継続できます。家族の支出予定が変わった、投資先の方針が変わったなど、再確認する条件も残しておきます。行動を変えることへの抵抗をなくすより、抵抗があっても比較できる手順を持つ方が実用的です。