自信と正確さは別の記録にする
過信バイアスとは、自分の知識や予測能力を実際以上に高く見積もる傾向です。投資では、数回の成功だけで自分は相場を読めると考える、予想の幅を極端に狭くする、他の投資家より優れていると根拠なく感じる、といった場面で考えられます。自信があることだけで判断が誤りとは言えませんが、その強さは証拠の量とは別です。
株価の結果には、市場全体の上昇や偶然も影響します。利益が出た後で「予想どおり」と感じても、購入前に何を予想したかが残っていなければ、判断が当たったかを確認しにくくなります。
確信度を結果と照らす
仮に「この範囲に入る確率は80%程度」と考えた予想を20回記録し、実際に範囲内だったのが11回なら、当たった割合は55%です。自分の確信度と実際の結果に差があると気づく材料になります。ただし20回という小さい標本や、似た相場が続いた影響もあるため、それだけで能力の正確な数字が決まるわけではありません。
予想の条件、時点、結果をそろえ、外れた例や途中の含み損も残します。成功例だけを思い出すことや、結果を見て予想を書き換えることを避けるためです。
過信が取引へつながる部分を見る
確信が強いからと、売買回数を増やしたり一銘柄へ集中したりすると、費用や一回の失敗の影響も増えます。個人投資家の取引頻度と費用控除後の成績を調べた研究はありますが、特定の国・期間・対象の結果を、今の全ての売買へそのまま当てはめることはできません。
自分の明細では、損益、取引費用、保有額、市場の比較対象を同じ期間で確認します。記録を増やすことだけを目的にせず、確信が強くなったときに投資額や見直し条件も変わっていないかを点検します。分からない点を分からないまま残す方が、狭い予測へ無理に押し込むより役立つ場合があります。