複利の力とは?意味と投資判断での使い方:将来額=元本×(1+利率)の年数乗、+20%の後に−20%→元本の96%、税・費用・入出金を区別

複利の力とは

複利は、運用で得た利益を元本に加えて再投資し、その後は元本と過去の利益を合わせた金額を運用する仕組みです。一定の利回りが続くなら、利益にも利益が付くため、運用期間が長いほど差が広がる計算になります。

ただし、投資の利回りは一定ではありません。価格が下落する年もあり、手数料、税、入出金の時期によって成果は変わります。複利の計算例で使われる年率は仮定であり、実際にその率を得られるという約束ではありません。高い利回りを前提にした試算は、将来の資産額を過大に見せることがあります。

複利を理解するための確認

  • 利回りが一定という計算上の仮定を置いているか
  • 税金や運用コストを差し引いているか
  • 価格変動や元本割れの可能性が示されているか
  • 利益を再投資する条件が現実的か
  • 資金を使う時期と運用期間が合っているか

複利は長期運用の結果を説明する考え方で、利益や元本を保証しません。投資対象のリスクと費用を確認し、無理のない資金計画で考えましょう。

積立額を増やす、投資期間を延ばすといった試算も、利回りを固定した計算なら市場変動を反映していません。前提を確認して比較します。

複利の例を比較する場合は、同じ初期額、期間、入金条件、費用で計算する必要があります。条件が違う試算をそのまま比べないようにします。

計算式の三つの要素

一定利回りの複利試算は「将来額=元本×(1+年利率)の年数乗」です。年利率3%なら0.03と置き、元本100万円、年数5年なら100万円×1.03の5乗で約115万9,274円になります。途中の入出金、税、費用は入れていません。元本、利率、期間のどれが違うかをそろえないと、試算結果だけを比較できません。

値動きが一定でないとき

株式や投資信託では、一年目に20%上がり、二年目に20%下がることもあります。100万円×1.20×0.80=96万円なので、平均の変化率を単純にゼロとして元本に戻ったと考えるのは誤りです。上昇と下落は、その時点の異なる残高に掛かります。

この性質は「複利なら必ず有利」という説明を点検する材料になります。負の収益も積み重なるため、元本割れの可能性と運用期間を別に考える必要があります。元本保証のない商品を、確定利息の表と同じものとして扱わないようにします。

実際の残高で確認する

入金した元本、途中で引き出した金額、現在の残高を分け、何が増減したのかを記録します。分配金を受け取る商品なら、その現金も計算へ含めます。将来額の試算は計画の目安で、商品の選び方を一つに決める予測ではありません。大きな将来額から逆算して、実現しそうにない利回りを置かないことです。

出典