調べた時間が長いほど、運用も良くなると思う時
何日も会社を調べて買うと、その努力の分だけ高い成績を期待したくなる場合があります。しかし、他の参加者も同じ公開資料を読めます。効率的市場仮説は、利用できる情報が価格へ反映されるという見方で、自分が知ったことと、市場がまだ知らないことを分けるきっかけになります。
Famaの研究で整理された過去の価格、公開情報、非公開情報という範囲の違いを知れば、何を材料にした優位性なのかも明らかにできます。すべての市場で常に成立すると認めるための分類ではありません。
調査の費用まで入れる、一つの仮例
同じ一年を対象に、架空の100万円の資金で、銘柄を選ぶAの費用前利益を8万円、比較用のBを7万円とします。Aには情報サービスと売買の費用が合計2万円、Bには運用の費用が5千円かかったと置くと、費用控除後の利益はAが6万円、Bが6万5千円です。
この設定では費用前の差が、そのまま残る利益の差になりません。料金や利益は仮定で、実際の商品やサービスの値段ではなく、税、入出金も省略しています。AとBのリスクを同じとは置いていないので、これだけでBの投資としての優劣も決められません。
自分で使った時間の負担もありますが、この例では金額へ換算していません。費用の見直しと、予測の能力を評価することを分けて考える材料です。
比較対象を先に置く利点
単に利益が出たという結果から、銘柄選びが成功したとは限りません。対象の市場全体が上がったのか、業種や通貨へ偏ったリスクを負ったのかで説明が変わります。どの期間、どの資産配分と比べるかを事前に残せば、後から都合のよい対象を選び直しにくくなります。
Famaの1991年論文は、効率性の検証には期待収益を測るモデルも伴うことを説明しています。比較を行っても、市場の問題とモデルの限界が完全に分かれるわけではありません。
負担を減らす選択と、残る判断
個別銘柄の調査を続けにくい人が、広く分散する指数への投資を考える入口にもなります。ただし、指数の中身、費用、資金を使う時期を選ぶ作業まで不要にはなりません。低い費用を選んでも価格の下落は起こります。
利点は、分析をすべて捨てることではありません。情報を得た満足感、実際の収益、負ったリスクを別々に読めることです。見たかった結果だけを残さず、うまくいかなかった期間も同じ条件で比べれば、努力と成果の関係を振り返りやすくなります。
出典
- Eugene F. Fama(1991)『Efficient Capital Markets: II』(出版社公開本文、情報の分類と期待収益モデルを伴う検証)
- Chicago Booth(2016)『Are Markets Efficient?』(Fama・Thaler本人の対談、モデルと現実の区別)
出典確認日:2026年10月23日。