確証バイアスの実例:仮例:売上は100億円→130億円、新規事業の赤字で営業利益は10億円→8億円、先行費用か構造的な赤字かを資料で検討

新規事業へ期待して買った会社

仮に、A社の新規事業へ期待して株を購入したとします。前年は売上100億円、営業利益10億円でした。今年は新規事業の売上が大きく伸びたという発表があり、次のような内訳になったとします。実在企業の数値ではない仮想例です。

今年の内訳売上営業利益
既存事業110億円13億円
新規事業20億円−5億円
合計130億円8億円

売上は前年より30%増えましたが、営業利益は20%減っています。「新規事業が伸びた」という見出しだけを読むと、会社全体の利益への影響を見落とします。一方、新規事業の赤字だけを見て直ちに失敗と決めるのも、費用の性質を調べていません。

両方の説明を検討する

一つの説明は、開発や販売体制の先行費用があり、将来の売上が増えると採算が改善するという見方です。別の説明は、顧客獲得費用が高すぎて、売上を増やすほど赤字が広がるという見方です。どちらも仮説なので、継続契約、単価、粗利益、追加費用など、事業に合う情報で調べます。

期待が強いと「赤字は一時的」で説明を終えたくなります。いつ、何が改善すればその説明が支持されるのかを決めます。逆の結果が出たら、将来の見通しを更新できる形にしておきます。

一次資料へ戻る順序

まず会社の決算資料で対象期間と事業の区分を確認し、好材料と悪材料を同じ表へ書きます。SNSの意見も読むなら、実際の数字と発信者の解釈を分け、利害関係や情報の出どころを確認します。賛成と反対を同じ件数集めることより、証拠の確かさを比べます。

確証バイアスへの対策は、必ず悲観的になることではありません。当初の投資理由と現在の情報を照らし、理由が残ったか、変わったかを記録します。保有銘柄への期待が強いときほど、前提を崩す可能性のある数字を読む時間を別に確保します。

出典