年末のプラスだけで「穏やかだった」と言えるか
ある年の年末に株価が上がったと聞くと、保有しやすい一年だったように感じるかもしれません。しかし、年の途中に大きな下落があれば、そこで現金が必要な人の経験は違います。「申酉騒ぐ」という格言を実例へ当てる時も、上昇と変動の大きさを混ぜない必要があります。
架空の一年で測る対象を分ける
架空の指数が年初100、年の途中の高値115、その後の安値85、年末103だったとします。年初から年末では3%の上昇です。ところが途中の高値から安値への下落率は、30を115で割った約26.1%になります。高値が安値より先に来た条件で、途中にこれを超える下落は無かったと置いています。
| 測る対象 | この仮例の結果 |
|---|---|
| 年初100から年末103の変化 | +3% |
| 高値115から、その後の安値85への変化 | 約−26.1% |
配当や費用を含まない説明で、実在する申年・酉年のデータではありません。また、日々の変化を使う変動率を計算した例でもありません。異なる指標が異なる経験を捉えていることを示しています。
実際の年を調べる時に残る問題
大和証券の格言解説は申年・酉年を大きな変動と結びつけますが、比較の指標や将来の再現性までは、その短い定義から決まりません。実際に検証するには、他の干支の年も同じ指数と基準で比べる必要があります。
一つの大きな下落だけを取り上げても、干支が原因とは言えません。当時の金融政策、企業の収益、国際情勢などの情報を別に調べます。結果を見てから都合のよい測定方法へ替えると、どんな年も格言へ当てはめやすくなります。
投資の負担を見る用途なら、実際に必要な現金の時期と、途中の損失に耐えられるかを考えます。年末に回復していたことは、途中で売却せざるを得なかった人の損失を消してくれません。
出典
出典確認日:2026年10月23日。