騒がしいニュースを追って売買が増える時
格言を意識し始めると、少しの下落も「やはり荒れる年だ」と感じ、すぐに保有を変えたくなる場合があります。「申酉騒ぐ」は年と値動きを結びつける言葉ですが、どの下落で売り、いつ買い直すかは示しません。条件が無いまま行動へ変えることが、誤用の出発点です。
小さな費用が重なる仮例
架空の売買で、購入と売却を合わせた一往復の明示的な手数料が800円だったとします。根拠を変えずに売ったり買い直したりする往復を月6回行えば、手数料だけで4,800円です。売買価格の差や税、その他の費用は省き、実在する証券会社の料金を示す例ではありません。
相場を当てたかどうかとは別に、取引を増やした分の負担が残ります。手数料が無料の商品やサービスでも、売値と買値の差、希望価格で約定しない影響、機会を逃す負担まで消えるとは限りません。
「当たった」年だけを記憶する弱点
暴落や急騰のあった年を選び、後から干支を調べれば、印象に合う事例は探しやすくなります。「騒ぐ」の定義を変えれば、ニュースが多かった、取引が増えた、年末は上がった、という別々の結果をどれも的中と呼べてしまいます。
大和証券の用語解説は格言の意味を紹介していますが、その短い説明を、現在の市場で有効な売買モデルと読むことはできません。国や指数、比較期間、指標を先に固定しない集計には、判断材料として限界があります。
逆張りにも同じ曖昧さが残る
「皆が荒れると言うから、逆に買う」という結論も、干支へ反応しただけなら根拠は増えていません。誰が何を保有しているかや、実際の業績を調べず、多数派の反対へ賭けることは別の思い込みになります。
格言を読む時に生じた不安と、手持ちの商品を変える理由を分ければ、騒がしい材料のたびに取引する状態を避けやすくなります。
出典
出典確認日:2026年10月23日。