選んだ安値は切り上がった。将来の下限ではない

上下する株価の、どこが切り上がっているのか

株価は上昇中でも一直線には動きません。上げ下げする中の安値同士や高値同士を結び、傾きを見やすくした補助線がトレンドラインです。上昇を見る時は押した安値、下落を見る時は戻った高値を結ぶ方法があります。

Fidelityの説明も、上昇線と下降線を、それぞれ安値や高値の組合せから捉えています。線を越える動きは、それまでの傾向が変わるかを考える材料であって、その後の反転が確定したという意味ではありません。

安値の位置を比べる仮例

架空の日足で、ある押し目の安値が980円、後の押し目の安値が1,020円だったとします。二つを結ぶと右上がりの線になります。ここで読み取れるのは、選んだ二つの安値が切り上がっていた事実です。

先へ延長しても、その価格で将来の買い注文が必ず集まるわけではありません。線が示すのは選んだ期間の傾きであり、企業価値や価格の下限ではありません。途中の別の安値や、もっと長い期間を選べば、見える線が違うこともあります。

ローソク足のどの価格を使うか

日足には、その日の始値、高値、安値、終値があります。JPXの説明する四本値のうち、場中の安値を使う線と、終値を使う線は同じとは限りません。ヒゲを結んだ線を、終値の線へ後から変更すれば、判定の基準まで変わります。

日足、週足、月足では一つの足がまとめる期間も異なります。短い期間の線を割ったことから、長期の事業見通しまで崩れたと判断するのは、対象を広げ過ぎています。

線を引いた時の情報を残す

結果を見た後なら、都合のよい点を選んで、何度も反発したように見せることもできます。どの時点のどの点を使ったのかが残っていなければ、過去の整理と、事前の見立ての検証を分けられません。

出来高や市場全体、会社の開示を合わせて読む方法もありますが、材料を増やせば損失がなくなるわけではありません。トレンドラインは価格の形を整理する道具です。保有する理由や、投資額を負担できるかという判断は、線とは別に残ります。

出典

出典確認日:2026年10月23日。