平均だけでは分からない十年の仮例
ある銘柄群の1月の収益が、十年のうち九年は各2%、残る一年はマイナス14%だったとします。単純平均は(9×2%−14%)÷10=0.4%です。平均がプラスでも、最も悪い年の損失は小さくありません。
これは実際の市場データでも将来の勝率でもなく、集計方法を説明する架空の数字です。また他の月の平均と比べていないため、この計算だけで1月に特有の効果があるとは判断できません。各年の収益を連続保有した結果も、単純平均とは違います。
実際の研究が比較した条件
1月効果は、年初の収益が他の時期と異なるかを調べる季節性です。Keimの1983年論文は、1963~1979年のNYSE・AMEX銘柄を使い、企業規模とリスク調整後収益の関係が1月に強く表れた点を報告しています。米国のその期間の結果であり、日本の次の1月に起きる現象の予告ではありません。
小型株と大型株の差なのか、市場全体の月別の差なのかでも、読んでいる数字の意味は変わります。配当を含むか、同額配分か時価総額配分か、退出した企業を含むかまでそろえないと、別の集計を一つの効果として扱ってしまいます。
単年の上昇を原因の証明にしない
年明けに小型株が上がっても、決算、金利、景気、個別材料の影響かもしれません。年末の損失売却や年初の資金需要などは説明として検討されますが、上昇した事実だけから原因を一つに決めることはできません。
同じ分類を別の期間にも適用して結果を比べる方が、成功した年だけを選ぶ説明より検証に近づきます。売買を想定するなら、売値と買値の差、費用、注文できた数量も結果に関わります。季節性の研究は仮説を調べる入口で、年初の自動的な売買指示ではありません。
出典
出典確認日:2026年10月23日。