サンクコストとは?実例でわかる投資判断の使い方:返金不可の年額1万2,000円、代替5,000円の価値を今から比較、平均単価が下がっても投入額は増える

埋没費用に縛られる例

買った株が下がり続けている時、「ここまで調べたのだから」「含み損を確定したくない」と保有を続けるのは、過去に払った費用や時間を理由に今後の判断をする例です。けれど、購入資金は売却しても戻らず、今日からの判断では現在の価値や将来の見通しが問題になります。

一方、値下がりしたというだけでサンクコストと決めつけて売る必要もありません。投資前の仮説が今も成立しているか、売買費用や税などこれから発生するコストは何かを分けます。過去の支出にとらわれず、今日その資産を新たに買うかという問いで考えると、判断の軸を整えやすくなります。

道具の買替えで考える

仮に投資管理用のソフトへ年額1万2,000円を払い、途中で必要な機能がないと分かったとします。返金はできず、代替ソフトは残りの期間に5,000円かかります。この時、判断するのは「既払1万2,000円を無駄にしない方法」ではなく、「これから5,000円を払って得る機能と時間短縮に価値があるか」です。

古いソフトを使い続けても1万2,000円は返りません。代替が不要なら追加せず、必要なら費用と便益を比べます。無料の別手段が使えるかも選択肢です。これはソフトの推奨ではなく、過去の支出と将来の選択を分ける仮想例です。

株式で同じ構造を見る

100株を1,500円で買い、現在1,000円なら、評価額は10万円です。購入価格まで戻すには50%の上昇が必要で、下落率の約33.3%と同じではありません。しかし「50%上がるまで待つ」は、将来の事業への見通しとは違う条件です。今の10万円をこの株へ置く理由があるかを確かめます。

追加してよいかは別に計算する

同じ株を100株追加すると平均取得単価は1,250円になりますが、投入元本は15万円から25万円へ増えます。価格が戻るための必要幅は小さくなっても、保有リスクは増えています。単価を下げる数字だけを見ず、総投資額と、下落が続いた場合の損失額を計算します。取り返したい気持ちと、追加投資の採算を別の欄に置くと整理できます。

出典