投資判断から過去の支出をいったん外す
サンクコスト(埋没費用)は、すでに支払い、今後の選択を変えても戻らない費用です。投資では、これまでに費やした購入資金や調査時間を惜しみ、「ここまで持ったのだから」と保有を続ける形で現れます。しかし、取得価格は今日から先の企業価値を決めません。
保有を続けるか見直す時は、今の価格で新たに買うか、という問いに置き換えると整理しやすくなります。税金や売買費用など、これから発生するコストは判断に含めます。過去の損失を取り返すために追加購入するのではなく、投資理由が現在も成り立つかを調べます。
費用の性質は「戻るかどうか」で決まる
サンクコストとは、過去に発生し、現在の意思決定では回収できない費用です。金額が大きいか小さいかではなく、選択を変えても戻らないかが基準です。契約金、調査に使った時間、返金不可の受講料などが例になります。売却できる資産の現在価値までゼロとみなす言葉ではありません。
続ける場合とやめる場合を同じ時点で比べる
仮に事業の準備へ30万円を使い、販売を始めるにはさらに20万円必要だとします。今後の売上見込みが15万円、追加費用が20万円だけなら、今からの差額はマイナス5万円です。「既に30万円使ったから完成させる」と考えても、追加の採算は改善しません。ここでは説明のために他の費用や残存資産を省いています。
実際の判断では、準備物を売れる金額、解約時の違約金、継続時の収益なども比べます。今から発生する費用と回収可能額を無視して、過去の支出だけを切り離せばよいという話ではありません。
投資への当てはめ方
100万円で買った株が80万円になった場合、購入価格は変えられませんが、現在の80万円には別の使い道があります。今後の企業利益や保有目的を見て選び直します。売買履歴は税務や学習に必要なので記録を残しつつ、「買った価格に戻るまでは売らない」という条件が現在の見通しを上書きしていないかを確認します。