日々の上下で、何を見ていたか分からなくなる時
上がった日は強く、下がった日は弱く感じ、最初の判断理由を忘れてしまう。トレンドラインの利点は、価格の位置関係を図へ残し、注目していた傾きを説明できることです。高値や安値を結ぶ補助線なので、将来の価格や企業価値を決める道具ではありません。
上昇中の安値や、下落中の高値を比べれば、単日の値幅だけでなく、どの節目を見ていたかが残ります。線の数を増やすことより、何の点を使ったかが、振り返る際の情報になります。
二つの押し目を残す、一つの仮例
架空の株価が1,000円から1,080円へ上がり、1,040円まで下がった後、再び上昇して、次の押し目が1,060円だったとします。ここで1,040円と1,060円の押し目を結ぶ線は、後の押し目が高かったことを示します。
この時点の図を保存すれば、後で線から離れた時にも、何を根拠に傾きを見ていたかを読み直せます。最初の1,000円まで含めて、すべての安値が同じ直線に並ぶと置く例ではありません。何の範囲の押し目を選んだかに、本人の判断が残ります。
架空の価格で、反発した取引の勝率を示すものではありません。線の近くで約定できることも、その後の上昇も保証されません。
見方が変わった理由を、結果と分けられる
線を引いた後、場中の安値が割れたのか、終値が下へ離れたのかで、読んでいる情報は違います。線を動かしたくなった理由が、新しい価格なのか、当初から見落としていた安値なのかも、元の図があれば分けられます。
Fidelityの解説も、線を越えたことを、変化を疑う材料として扱っています。確定した反転や、以後の損失の上限として読むのは、その役割を広げ過ぎます。
苦手な場面も、同じ図で見える
価格が細かく行き来している時は、どの点を使うかで線が何本もできます。短い期間を切り取るほど、その線が長期の判断に役立つとは限りません。日足と週足、ヒゲと終値など、比較する条件の一致が関わります。
企業の事業見通しや、本人の支払余力を補う情報にはならないため、線を残す利点と、線で答えが出ない問題を分けます。判断を記録するための使い方なら、当たった図だけを残す誘惑にも気づけます。
出典
- Fidelity Trading Strategy Desk『Basic concepts of trend』(高値・安値による線、線を越えた動きの限界)
- 三井住友DSアセットマネジメント『トレンドライン』(用語の定義。情報提供:時事通信社)
出典確認日:2026年10月23日。