値上がりランキングの一位だけでは足りない
画面で値上がり一位の株を見つけても、前日からの順位なのか、数か月の順位なのかで意味は違います。モメンタム効果は、過去の相対的な強さと、その後の収益の関係です。「最近上がったから、今からも上がる」という一銘柄の予言ではありません。
戦略の説明を一枚に分ける手順
仮に「過去の好成績銘柄を定期的に入れ替える」という説明を読んだら、最初に対象市場と対象銘柄を特定します。次に、どの期間の収益で順位を決め、配当や株式分割をどう調整しているかを読みます。最後に、保有の期間、入替日、売買費用や税の扱いを並べます。これらが書かれていなければ、同じ名前の戦略でも比べる条件が不足しています。
Kenneth Frenchの研究用Momは、所定の過去収益と企業規模で分類した複数の銘柄群を使い、高い過去収益側と低い側の収益差を作ります。毎月の分類方法も定められています。この数値は、上昇株を一本買った人の口座残高の伸びではありません。
研究の結果を実際の注文へ移す際の負担
銘柄の入替えには、表示された価格で必要な数量を売買できるかという問題があります。売買手数料がなくても、買値と売値の差や、注文で価格が動く負担まで消えるわけではありません。売建てを含む戦略なら、取引条件や追加の損失リスクも異なります。
初心者が最初に確かめたいのは、効果の名前を知っているかより、自分が何を保有し、どの時点で何を見直すかを説明できるかです。順張りの考え方を学ぶことは、集中投資や頻繁な注文を必要としません。
上昇の理由も自分の資金条件も残る
業績の改善、特定の材料、市場全体の上昇では、値動きの背景が違います。良いニュースがあっても、現在の価格でどこまで織り込まれたかは別です。反転時に必ず目標額で売れる前提を置かず、使う予定の資金と投資額をそろえます。研究された平均的傾向は、個人の将来利益の保証には使えません。
出典
- Jegadeesh・Titman(1993)『Returns to Buying Winners and Selling Losers』(出版社公開要旨)
- Kenneth French『Monthly Momentum Factor』(分類・構築の方法)
- 日本取引所グループ「売買成立の方法」
出典確認日:2026年10月23日。