顧客は多いのに、売上は一社へ頼っていた
取引先が複数あるという説明だけでは、売上の依存は分かりません。80対20の法則は、成果や負担の多くが比較的少数の要因へ偏ることがある、という考え方です。少数へ注目する入口ですが、いつも正確に80%と20%になるわけではありません。
ここでは、実在企業の開示を使わず、同じ期間の顧客別売上を置いた独自例で、数える対象と金額の違いを読みます。
五つの顧客の、同じ期間の売上を比べる
架空の会社の売上を、顧客A70万円、B15万円、C10万円、D3万円、E2万円、合計100万円とします。顧客は五社で、A一社は社数の20%ですが、売上の70%を占めます。
少数へ偏る設定でも、80%ではありません。結果を80対20へ近づけるために顧客の区切りや集計期間を変えれば、比較する条件を変えたことになります。
続けて、他の顧客の売上は変わらず、Aからの売上だけ半分の35万円になると置けば、全体の売上は65万円です。Aの売上の変化が大きく作用する形を読むための仮定で、実際の契約終了や販売の予測ではありません。
費用、代わりの受注、販売条件などは置いていないので、利益の減少率は計算していません。売上の比率が分かっても、顧客別の採算や現金の回収まで同じ割合とは言えません。
集中には、取引の条件も関わる
大口の顧客は、まとまった注文や継続的な関係につながる場合があります。一方で、契約が切れる、値下げを求められる、支払いが遅れるなどの影響も、その取引の大きさに関わります。集中しているという事実だけで良い会社、悪い会社とは決められません。
現実の資料では、売上を集計した期間、連結か単体か、顧客や企業グループをどう数えたかをそろえます。上位顧客以外をまとめた数字から、個々の顧客が均等と仮定することもできません。
指数や保有資産へ使う時は、測る成果を変える
株価指数の上昇へ一部の企業が寄与しているかを調べる場合は、企業数だけでなく指数の計算方法や構成比、価格変化が関わります。顧客別売上の比率を、そのまま指数の寄与や株式の勝率へ広げることはできません。
Juran Instituteの分析も、実際に項目を測って影響の大きい部分を調べる説明です。少数の要因が分かった後に、その原因や対策を読む段階が残ります。
80対20という名称を使わなくても、何の何%へ依存しているかが具体的なら、次の問いへ進めます。偏りを記述した結果と、その先も同じ構造が続く予測を区別するための仮例です。
出典
出典確認日:2026年10月23日。