成長すれば高い買値も必ず吸収できるか
長期保有は、価格変動をなくす仕組みではありません。企業の事業や財務が変われば、過去の高値へ戻らない場合もあります。一方、安い時だけを待ち続ける方法にも、成長や価格上昇へ参加しない負担があります。
現在の利益、将来の想定、支払う価格を別々に置くと、どの前提に依存しているかが見えます。赤字や一時利益の大きい企業などでは、PERの単純比較が適さない場合もあります。
利益が伸びても価格が戻らない仮例
仮に1株利益100円の株を3,000円、PER30倍で買ったとします。その後、利益が毎年10%増えるという仮定なら、5年後の1株利益は約161.1円です。しかし、その時の評価倍率が15倍なら株価の試算は約2,416円で、購入価格より約19.5%低くなります。
配当、税、費用、物価を除く仮想例です。10%成長や15倍になると予測しているわけではなく、利益が伸びることと購入価格を回復することが同義ではない点を示しています。倍率が変わらない場合など、別の前提も並べます。
資金が必要な時点も決める
市場全体の指数へ投資する場合も、大きな下落が起きる可能性があります。支出の直前まで高いリスクの資産だけで持つと、回復を待つ時間が足りなくなる場合があります。必要な金額と期限を家計から確認します。
購入先が成長していても、値上がりで保有比率が大きくなれば、同じ会社へ同じ量を置くかを別に検討します。売却や調整には費用と税、上昇へ参加する額が減る影響もあります。
「長期だから」という理由だけに頼らず、事業の見通し、現在の価格、自分の支出予定を定期的に更新します。根拠を残しておけば、価格が下がった後に期間だけ延ばしていないかも点検できます。