NISAで二本持っているから、偏りは小さいと思った
複数の投資信託を持っていても、上位の企業が同じなら、その企業への間接的な保有は重なります。パレートの法則は、成果や負担が少数の要因へ偏ることがある、という考え方です。NISAで使う時も、商品数を増やしたことだけで依存が減ったとは判断しません。
いつも80対20になる法則でも、少数の勝ち企業だけ選ぶ方法でもありません。実際にどこへ持つかを調べるための入口です。
二つの保有ファンドの中身を合わせる仮例
対象要件を満たす架空のファンドXを時価60万円、Yを40万円持ち、他の資産はないとします。同じ基準日の組入れで、A社の比率がXは20%、Yは30%だったと置きます。
Aへの間接保有相当額は、Xから12万円、Yから12万円、合計24万円です。全体100万円に対して24%になります。組入れが保有者の持分へ比例すると単純化し、デリバティブや他の間接保有はない独自の模型です。実在商品の構成や推奨する比率ではありません。
二本という商品数から、企業の保有先が二つへ均等に分かれるとは言えません。同じ企業を持つこと自体が直ちに誤りとも決まらず、その依存が本人の目的に合うかを読む段階が残ります。
公表資料の、日付と範囲をそろえる
月次資料や運用報告書の組入れは、公表日と基準日が違う場合があります。別の日の比率を同時点の姿として足せば、その時の構成とはずれます。上位だけの公表なら、見えない部分も残り、全構成を把握できたとは言えません。
企業名が違っても、業種、販売先、通貨などを通じて同じ要因へ依存する場合があります。反対に、会社が同じでも事業の地域や収入源を含む詳しい分析は、今回の単純な金額だけでは分かりません。
制度の数字と、集中度の数字は別
2026年10月23日時点のNISAは、対象商品の売却益や配当等を非課税とする仕組みです。損失をなくし、分散を保証する制度ではありません。NISA内の売却損失は、課税口座との損益通算や繰越控除に使えません。
仮例は現在の時価と組入比率で保有内容を見た計算です。年間投資枠や非課税保有限度額の使用額を、その時価で計算したものではありません。制度には取得価額等に基づく別の計算があります。
過去に寄与した企業が今後も勝つとは限らず、広く分散しても市場全体の下落は残ります。偏りを見つけたらすぐ売るという順序ではなく、本人の支出、期間、他の口座の保有も含め、どの要因へいくら依存しているかを読むための見方です。
出典
- Juran Institute『Pareto Principle (80/20 Rule) & Pareto Analysis Guide』(少数要因への偏り、測定と順位付け)
- 国税庁『No.1535 NISA制度』(非課税の対象と損失の扱い)
- 日本証券業協会「NISAのよくある質問」
- 金融庁『資産形成の基本』(家計、資金の目的、分散投資の考え方)
出典確認日:2026年10月23日。