振り返りから学べる内容を増やす
結果を知ると、当時も予見できたように思いやすくなります。後知恵バイアスを知ることは、この記憶だけで判断を採点しないために役立ちます。偏り自体が投資上の利点になるのではなく、偏りを想定して記録を使う点に意味があります。
仮にAとB、二つの取引があったとします。Aは事業を調べず話題性で買い、結果は2万円の利益。Bは開示を読み、資産の一部に限って投資し、想定した範囲内の1万円の損失でした。損益だけならAが上でも、再現したい手順がAにあるとは限りません。
Bでも情報の読み違いがあった可能性はあります。「手順を守ったから正しかった」で終わらず、どこに改善余地があるかを確かめます。結果と過程を分けるのは、損失を正当化するためではありません。
変更しない原メモを用意する
注文前に、根拠、予想が外れる条件、保有する期間、金額を残します。確信度を数字で記す場合は、それが主観的な見積もりであることも添えます。後から予想を書き換えず、変更は日時を付けた別の追記にします。
事後には「予想が当たったか」の欄と、「注文前の条件を守ったか」の欄を作ります。新しい材料が出たため合理的に変更したのか、値動きに押されて方針を変えたのかも区別できます。
記録の効果を過大評価しない
メモがあっても、都合のよい部分だけを読むことはあり得ます。成功した取引だけでなく、見送った候補や失敗した取引にも同じ形式を使うと、振り返る対象の偏りを点検できます。
少数の記録から自分の予測能力や勝率を確定することはできません。まずは数行でも継続できる量にし、当時分からなかったことまで「分かっていた」に変えていないかを確認します。