成功と失敗で説明を変えていないか
利益が出た取引は「自分の分析が正しかった」、損失が出た取引は「予想外の相場だった」と片付けると、自分の実力を点検できません。市場の影響は成功にも失敗にもあります。過信を考える際は、どちらの結果にも同じ項目を使って説明しているかを見ます。
仮に決算改善を期待して買った株が、予想していなかった買収報道で上がったとします。利益は実際の成果ですが、当初の決算予想が当たった証明とは別です。自分が把握していた事実と、後から起きたことを分けて記録します。
取引前の言葉を残す
購入時に予想した理由、想定期間、起こり得る別の経路、確信度を書きます。結果を見た後で「長期のつもりだった」「短期材料を見ていた」と理由を差し替えると、どの判断を改善すべきか分からなくなります。見通しを変える場合は、元の記録を消さず、新しい情報による更新として残します。
反対材料を一つ探すことも考えられますが、数合わせの弱い意見を置くだけでは点検になりません。投資先の一次資料や、同じ期間の数字で、当初の前提を崩す可能性があるかを確認します。
自信が増えた日の取引額
成功後に保有額や取引頻度を上げたなら、その理由が新しい事実か、気分の高まりかを分けます。仮に一回の投入額を五倍にすると、同じ下落率の損失額も五倍です。前回より多く調べたことが、その負担を家計で受け入れられる理由になるとは限りません。
自信をなくすことが目標ではありません。分からない点を残し、損益と確信度のずれを複数の記録で知ることが目的です。勝ちが続いたときこそ、未実現損益と費用も含めた全体の成績を同じ期間で集計します。
確信度を数値で表しにくければ、「強い」「中程度」「弱い」など同じ尺度で残す方法もあります。後から各群の結果を同じ条件で見比べれば、自信の強い判断ほど成果がよかったかを点検できます。記録の尺度を結果に合わせて途中で変えないようにします。