高い株価でも倍率は低い場合がある
株価1,000円、1株利益50円のA社はPER20倍です。株価5,000円、1株利益500円のB社は10倍です。1株の値段はBのほうが高くても、同じ利益1円に付ける価格はBのほうが低くなります。
ただしこの二つの数字でBが優れているとは決まりません。Aの利益が成長中で、Bの利益は一時的に大きいだけかもしれません。同じ実績か予想か、決算期間や事業の違いをそろえて調べます。
価格の理由を問う順番ができる
PBRが低い会社なら、資産の内容と収益性、減損や負債を調べます。PERが低い会社なら、利益の持続性や景気変動、特別利益を見ます。配当利回りが高い会社なら、配当を支える利益と現金の流れを追います。
複数の指標が安く見えても、同じ業績悪化を重ねて映しているだけの場合があります。低い指標の数が多いほど安全という足し算はできません。自分が何の改善や維持を期待するかを具体化します。
相場の人気と別の比較軸を持てる
上昇率ランキングだけで選ぶと、既に高い期待が価格へ含まれていることを落としがちです。利益や簿価との比較を加えると、価格の前提を考える材料になります。
FamaとFrenchの研究や因子の説明は銘柄群の平均差を扱っており、低倍率株を選ぶだけで毎年上回れると証明するものではありません。資産配分や費用、保有期間を決めたうえで、調査の切り口として使えることが利点です。
出典
- Fama and French(1992)『The Cross-Section of Expected Stock Returns』(出版社公開本文・過去の米国株の分析)
- 米国SEC Investor.gov「Price-earnings (P/E) Ratio」
出典確認日:2026年10月22日。