保有効果を長期投資に生かす視点:購入時の仮例、株100万円+その他200万円:株式比率約33%、値上がり後、株300万円+その他200万円:株式比率60%、今の変動額、株が20%下落なら60万円減

昔の成功が現在の比率を隠す

長く持つ株には、購入時の判断が当たった記憶や、配当を受け取った経験が積み重なります。保有効果を知ると、その経験が企業への評価を必要以上に引き上げていないかを振り返れます。長く持った事実だけで偏りがあるとは限りません。

仮に100万円で買った株が300万円になり、その他の資産が200万円のままだとします。購入時の株式比率は100÷300で約33%。現在は300÷500で60%です。「最初は少額だった」では今の集中度を説明できません。

取得費に対して利益があるとしても、今の300万円には価格変動リスクがあります。ここから20%下落すれば60万円の減少です。「利益分なので失ってもよい」と思う場合も、その金額を将来の支出へ充てる予定がないか確かめます。

詳しくなったことを、反証にも使う

長年調べてきた知識は、良い情報を集めるだけでなく、当初の想定が崩れたかを調べるために使えます。主力事業の競争環境、資金繰り、投資計画など、保有を続ける前提を少数に絞ります。基準は保有銘柄だけで緩めないようにします。

一方で短期的な減益や価格下落だけで、長期の仮説がすべて否定されたとも限りません。何をもって一時的と判断するか、どの資料で確かめるかまで記します。

保有額を独立した判断にする

企業を今も高く評価することと、資産の60%を置くことは別の問いです。全部売るか全部持つかの二択にせず、今後の積立、必要資金の確保、税・費用も含めて保有額を検討します。

長期投資を続けるための点検は、思い出を否定する作業ではありません。過去の購入の成功から一度離れ、現在の資産と今後の目的に対して同じ量を持つ理由があるかを確認します。

出典