上がった戌年だけを思い出していないか
戌笑いという相場格言を聞いた後に、戌年に株が上がった話を見ると、よく当たる言葉だと感じる場合があります。しかし、下がった年や、別の市場の動きが省かれていれば、それだけで当たりやすさは分かりません。
戌笑いは干支にまつわる相場格言の一つです。干支から企業の利益や金利が決まる制度でも、全銘柄の上昇を予告する指標でもありません。
架空の記録から読む一つの例
ある架空の指数で、四つの戌年の年間収益率を8%、6%、マイナス20%、4%と置きます。3回は上がっていますが、算術平均はマイナス0.5%です。実際の株価データではなく、上がった回数と値動きの大きさが異なることを示す独自例です。
成功した三つの年だけを紹介すれば、印象はさらに明るくなります。反対に、悪い一年だけでも全体を表せません。この数の仮例だけで、統計的な有意性や将来の上昇確率は判断できません。
12年ごとの観測には条件の違いがある
同じ干支の間にも、企業群、金融政策、取引制度などは変わります。連続する多数の日次データを見た場合と、12年ごとの少ない年を抜き出した場合では、観測の数も違います。
価格の変化だけの指数か、配当も含む収益か、どの年のどの営業日を使うかでも結果は変わります。出典の表を読んだら、その条件を現在の一社の利益へ置き換えない必要があります。
安心した気分は、リスクの減少ではない
縁起の良い呼び名を聞いて安心しても、保有する会社の財務が改善したわけではありません。同じ会社に投じる額を増やせば、価格が下がったときに家計が受ける影響も大きくなります。
MoneySenseの投資教育でも、自分の見方に合う情報へ偏ることが扱われています。ただし、偏りに気づいたから反対の売買が正解になる、という関係もありません。
干支の格言を会話や振り返りのきっかけとして知ることと、それを次の購入理由にすることは別です。数字のない成功談では何が分からないかを説明できると、印象だけが確信へ変わる場面を減らせます。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。