昨年の成功が、今年の確信へ変わるとき
昨年の1月に買った株が上がると、年初の相場を得意に感じる場合があります。しかし、その会社の好材料や市場全体の上昇が影響した可能性もあります。利益が出た時期だけを覚えていれば、同じ月に失敗した記憶が薄れることもあります。
1月効果の研究は、一定の企業群や期間における収益を扱います。自分の一度の取引結果から、研究の季節性が再現されたと結論づけることはできません。
架空の年初の投資を記録する手順
独自の例として、年初にある銘柄へ投資するか迷った人の記録を考えます。実在の取引や効果を示すものではありません。
| 時点 | 残す内容 | 後から分けられること |
|---|---|---|
| 発注前 | 月以外に、何の事業や価格を理由にしたか | カレンダーへの期待と個社の評価。 |
| 保有中 | 会社や市場に新たな発表があったか | 当初の理由と、後で加わった材料。 |
| 期間終了時 | 損益、費用、比較する市場の同期間の動き | 個別の結果と市場の追い風。 |
| 振り返り | 予想と違った点も同じ条件で残す | 成功だけを集めた記憶との違い。 |
この記録があると、上がった後に新しい理由を付けて、最初から分かっていたように説明することを減らせます。記録の形式を守るだけで、取引が成功するという意味ではありません。
連続した結果から、次の一回を決めない
何年か続いて上がっていても、次の年の上昇確率がその回数だけで確定するわけではありません。逆に、前年に下がったから次は必ず上がるという関係もありません。
使う研究や統計では、対象市場や企業規模、観測期間を読む必要があります。過去の米国株の分析と、今見ている日本株の一社の条件を混ぜない方が、期待の根拠を明確にできます。
不安を逆の売買サインに変えない
出遅れる不安が強いから必ず買わない方がよい、安心しているから売るべきだ、という法則もありません。MoneySenseの投資教育で扱われる心理の偏りは、自分の判断を振り返る材料で、将来価格を当てる仕組みではありません。
取引を考えるなら、資金を何に使う予定か、どの条件で保有理由が変わるかを、年初の雰囲気とは別に置く必要があります。
過去の成功を否定する必要はありませんが、その記憶がどの情報を含み、何を省いているかは読めます。事前の理由と実際の結果が残れば、1月という名前だけに次の判断を預けずに済みます。
出典
- Donald B. Keim「Size-related anomalies and stock return seasonality」(1983年、著者所属大学公開版)
- MoneySense「Behavioural science and investing」
参考資料の確認日:2026年10月23日。