申酉騒ぐと投資心理

騒がしい相場なら、取引も増やすべきか

申酉騒ぐという格言を知っていると、大きなニュースを見たとき、やはりその年らしいと感じる場合があります。しかし、ニュースの件数、日々の値幅、年間の収益は同じ数字ではありません。何を騒がしいと呼んだかが曖昧なら、結果を幅広く当てはめられます。

この言葉は、申年・酉年の相場を表す干支の格言です。値動きの大きさを測る統一された指標でも、すべての取引に利益を生む方法でもありません。

架空のニュースを読む一つの手順

架空の企業について、海外で物流が滞ったというニュースを見た場面を置きます。実在する事件や会社への評価ではありません。

最初に、どの地域で何が起きたかを、確認できる事実と推測に分けます。次に、その会社の仕入れや販売がその地域とどう関係するかを読みます。そのうえで、在庫の余裕、別の輸送手段、追加の費用などを調べ、会社の利益へ届く経路を具体化します。

同じニュースでも、対象と関係が薄い企業なら影響が小さい場合があります。記事が多いことだけで、一律に保有量を変える理由にはできません。

印象が強い場面ほど、観測期間をそろえる

一日の急落が目立っていても、一年間の収益がマイナスとは限りません。大きく上下して始値へ戻る場合もあります。格言と合う値動きだけを取り出すと、何を検証したのかが分からなくなります。

出来高や値幅を比べるなら、対象の市場と期間、使う計算をそろえる必要があります。過去の数年だけを見ても、次の同じ干支の年が同じ結果になる保証はありません。

注目することと、注文することを分ける

ニュースを読む頻度が増えても、取引回数まで増やす必要はありません。急な値動きでは、見ていた価格と実際に売買できる価格が離れる可能性があります。値幅があったことと、その値幅を利益として取れたことは違います。

MoneySenseの投資教育で扱う目立つ情報への偏りも、判断を振り返る材料です。心理を知るだけで、相場の反対側へ売買する答えが出るわけではありません。

干支の名前を覚えるより、騒がしさの中身を企業の数字までつなげて読めることが役立ちます。事実と推測を分ければ、見出しの勢いだけで買値が決まる場面を減らせます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。