長く続ける理由と、長く持った事実
長期投資は、利益が出るまで意地で待ち続けることではありません。運用目的、投資対象、費用、資産配分が計画に合うから続けるのか、「十年も持ったから今さらやめられない」のかを区別します。保有期間の長さそのものは、今後の収益を保証しません。
仮に10年前に100万円で買い、現在60万円の資産があるとします。次の五年間について、同じ資産を持つ場合と別の資産へ変える場合を比べるなら、スタートは今の60万円です。購入時の100万円へ戻すことを目標にすると、根拠のない高い利回りを必要条件にしがちです。
見直しには現在の情報を使う
分散された低コストの商品が、当初の目的どおりの運用をしているなら、一時的な下落だけで撤退する必要があるとは限りません。逆に個別企業の主力事業が衰え、財務や稼ぐ力が想定から変わったなら、長期投資という言葉だけで保有を正当化しないことです。何が継続条件だったかを先に書いておくと比較できます。
家計の期限も更新する
五年後に使う資金が必要になった、収入が減ったなど、自分の条件が変われば投資できる期間も変わります。過去の運用方針を守るために生活予備費を失うのでは本末転倒です。売買の税や費用はこれから発生する条件なので検討に含め、保有年数への愛着とは切り離して整理します。
定期点検の条件を先に決める
毎月の値下がりではなく、運用方針の変更、継続費用の上昇、資金を使う期限など、どの変化で点検するかを決めます。個別株なら主力事業の採算や財務の変化を見ます。値下がりした後に理由を探すと、保有の継続に都合のよい条件を増やしがちです。購入前の記録と現在の資料を並べる手間には、過去の努力を惜しむ心理から距離を取る意味もあります。