秋に買えば、春まで安心できるか
ハロウィンの頃から春にかけて株が強いと聞くと、その期間だけ持てば利益を得られそうに感じます。しかし、平均的な差があることと、毎回プラスになることは違います。買う銘柄や価格、実際の取引費用によっても結果は変わります。
ハロウィン効果は、一般に11月〜翌4月を冬、5〜10月を夏として収益を比較する季節性のテーマです。ここでの冬と夏は比較のための呼び名で、全地域の気候を表していません。
平均が高くても、損失のある独自の仮例
架空の三つの期間を、11月〜翌4月と、それに続く5〜10月へ分け、次の収益率を置きます。実際の市場や論文の数値ではありません。
| 仮の期間 | 冬の収益率 | 夏の収益率 |
|---|---|---|
| A | 8% | 3% |
| B | マイナス4% | 1% |
| C | 2% | マイナス1% |
| 算術平均 | 2% | 1% |
冬の平均が夏より高くても、Bの冬には損失があります。また、三つの値の平均だけでは、統計的に意味のある差かどうかまでは分かりません。複数年を通じた運用結果なら、平均の単純な足し算ではなく、保有と入出金の条件を合わせた計算が必要です。
研究の結論と、個人の売買を分ける
2002年には、この季節性を扱うBoumanとJacobsenの論文が公表されています。その後の検討でも、対象市場や期間、季節の区切り方などは研究によって異なります。論文の名前があることだけで、今の日本株へ同じ効果が保証されるわけではありません。
指数の企業群を調べた話を、個別会社の株が上がる根拠へ置き換えることもできません。配当の有無、通貨、費用、現金で待つ間の収益も、比較する条件です。
冬が高いことと、夏がマイナスであること
相対的に冬の方が高くても、夏に株式が値上がりする場合はあります。株式を持たない期間に上がれば、その上昇には参加できません。反対に、下落を避けられる場合もあり、次の年の結果は日付だけでは決まりません。
季節性の主張を読む際は、何と何を比べ、実際にどんな売買を想定しているかを明確にする必要があります。
カレンダーを投資期間の保証にしない
半年後に必ず使う資金を、その半年が冬だからという理由だけで株式へ回せるとは限りません。企業の事業、現在の価格、必要な支出を合わせて読む段階が残ります。ハロウィン効果は、その調査の一つの論点として扱えます。
出典
- Bouman / Jacobsen「The Halloween Indicator, Sell in May and Go Away: Another Puzzle」(2002年、出版社書誌)
- Fuller / Yu / Boudreaux「Should Investors Be Fearful of the Halloween Effect?」季節の区分と検討方法
参考資料の確認日:2026年10月23日。