ハワード・マークスとは?実例でわかる投資判断の使い方

一つの目標株価だけでは、外れた場合が見えない

この株は上がると思っていても、予想が外れたときにどこまで悪くなるかで、引き受けられる金額は変わります。投資家ハワード・マークスの二次的思考では、自分の見通しに加え、結果の幅や市場の期待と価格の関係を考えます。ここではその観点を使った独自の仮例を置きます。

マークス本人が下の確率や銘柄価格を提案したものではありません。数字を決めれば不確実性がなくなるわけでもなく、考えた前提を見えるようにする計算です。

結果の幅と購入価格を並べる

現在の株価を960円とし、一年後を不利な場合600円、中間の場合1,050円、有利な場合1,350円と仮定します。それぞれの確率を20%、50%、30%と置くと、価格の期待値は「600×20%+1,050×50%+1,350×30%=1,050円」です。

配当や費用を除いた期待収益率は、購入価格960円との差から約9.4%となります。一方、不利な場合には37.5%の値下がりです。期待収益がプラスでも、一年後に平均の結果が必ず得られるわけではありません。

また、確率の設定を誤れば期待値も変わります。ここに30%と書いた有利な場合が実際ははるかに起こりにくいなら、細かい計算だけではその誤りを補えません。

市場より良い見通しかは、別に必要になる

自分が値上がりを期待していても、他の参加者もそれ以上に強気なら、価格はすでに高い可能性があります。上の仮例の結果の幅だけでは、市場が何を想定した960円なのかまでは分かりません。類似企業の評価、取引価格、公開された予想などと照らす段階が残ります。

違う見通しを持つ根拠が公開情報の読み方なのか、単なる楽観なのかも区別する必要があります。多数派と違う数字を置いたこと自体は、優れた分析の証明にはなりません。

期待値から保有量を自動的に決めない

不利な場合に生活費が足りなくなるなら、期待収益が高そうでも、その金額は家計へ合わない場合があります。複数の保有銘柄が同時に悪化する可能性もあるため、一銘柄の結果の幅だけで全体の損失を測ることもできません。

この方法の使いどころは、予想が当たるかを言い切ることより、どの仮定が結論を支え、外れたとき何を引き受けるかを言葉にすることです。見通し、価格、資金の余裕を同じものとして扱わないための材料になります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。