アンカリングとは?意味と投資判断での使い方:株価4,000円→2,000円、EPS200円→50円、PERは20倍→40倍に上昇

最初の数字が基準として残る

アンカリングは、判断の出発点に置いた数値などから十分に離れず、見積りが引っ張られる傾向です。投資では、購入価格、過去の高値、最初に読んだ目標価格が基準になりやすい場面があります。参考値を使うこと自体が誤りなのではなく、条件が変わっても同じ数字から考え続けることが問題です。

「半値」の印象を計算し直す

仮に高値4,000円から2,000円へ下がった株を見て、半値だから安いと感じたとします。もし同じ期間に一株利益が200円から50円へ下がっていれば、PERは20倍から40倍へ上がっています。利益に対する価格では、見かけほど安くなっていないことになります。単純化した仮想例で、PERだけで企業価値を決めるものではありません。

参照すべき数字の意味

購入価格は自分の損益の計算には必要ですが、他の参加者が将来いくらで買うかの約束ではありません。目標価格は利益予想や評価倍率に依存するため、値だけを切り出すと根拠が見えなくなります。複数の数字を集めるときも、元の資料が同じなら独立した見方が増えたとは限りません。

自分の予想を作る際は、最初に見た価格をいったん脇へ置き、利益、財務、投資期間の条件を書いてから比較します。その後で過去価格との差を確認すると、「安く感じる」と「今の条件から安いと判断する」を分けやすくなります。

為替でも比較の起点を明示する

仮に一ドル100円の時を基準にすれば130円は円安ですが、直近150円の時から比べれば130円は円高です。同じ数字を見ても起点で印象が変わります。投資の損益では購入時の実際の為替を使う一方、現在の相場を説明するときは比較する日付を明示します。昔のレートの記憶だけで、今買うか待つかを決めないようにします。

出典