FIREで間違えやすい4%ルール

毎年4%ずつ使えば、資産は必ず続くか

FIREを考える際、年の生活費を4%で割れば、退職できる資産額が分かるという説明を見かけます。しかし、その計算は将来の利益や、資産が尽きないことを約束するものではありません。まず、何の金額に対する4%かを分ける必要があります。

Bengenの1994年の研究は、米国の過去の投資収益と物価のデータなどを用い、初年の資産額に対する出金と、その後の物価調整を扱いました。毎年、変化した残高から同じ割合だけ使う方法とは異なります。

翌年に使う金額を比べる独自の仮例

初年の資産5,000万円に対して200万円を使うと置きます。次の年の取り崩し前残高が4,000万円となり、説明のため物価の上昇を2%と仮定します。この残高は、初年の出金と運用などを経た後の金額として置いたものです。

初年の200万円を物価で調整すれば翌年は204万円です。一方、翌年の残高4,000万円の4%なら160万円で、使える額が違います。前者の204万円は、その時点の残高に対しては5.1%です。実際の市場や論文を再現したものではなく、税や費用なども別に必要な独自例です。

同じ4%という呼び名でも、どの基準で使うかが分からなければ、生活が続く条件は比較できません。

過去の研究を、自分の生涯の保証にしない

使った市場、資産配分、物価、期間が違えば、前提も変わります。早く仕事を辞める場合には、取り崩す期間が長くなる可能性があります。日本での税や保険、円で払う支出も、米国の過去の条件と同一ではありません。

また、平均の収益率だけでは、下落が先に来る場合の影響は分かりません。資金を出す時点によって、後の回復へ参加できる元本が変わります。

出金を減らせるという仮定にも、中身がある

残高に応じて生活費を減らす方法なら、家賃などの固定した支払いまで同じ割合で下げられるかが関わります。理論上は資産を使い切りにくくても、必要な暮らしが続くとは限りません。

退職を考えるなら、数字の名前より、出金の基準、必要な支出、収入、期間をそろえることが先です。運用で不足を埋める想定は、その想定が外れる場合と合わせて読む必要があります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。