少し上がれば利益になる、とは限らない
1月は上がりやすいという説明をもとに短い売買を考える場合、値上がり幅だけでなく、売買にかかる費用や価格差が関わります。研究で見つかった平均の差と、個人が実際に残せる金額は同じではありません。
平均が高いとしても、次の年や選んだ一社が上がる保証はありません。損失が出る場合も含めて読む必要があります。
100株の利益へ費用を加える仮例
架空の国内株を1,000円で100株買い、1,020円で100株売れたと置きます。価格差による利益は2,000円です。説明のため往復の費用合計を800円と固定すると、差し引きは1,200円となり、購入額10万円に対して1.2%です。
実在する証券会社の料金ではなく、税や他の価格差を除いた独自の計算です。無料の取引でも、見た価格と約定する価格の差などが生じる可能性は残ります。費用があるから必ず損失になるという意味でもありません。
この例は利益が出る価格を設定していますが、実際に下がればその損失へ費用が加わります。季節性への期待だけで損失の上限を決めることはできません。
年末と年初の区切りにも条件がある
前年末の終値から1月末までを測るのか、年初の寄付きで買うのかで、使える価格と期間は違います。年初の最初の値上がりを、後からその前の価格で買えたものとして数えると、現実に実行できない成績になります。
同じように、途中の高値で売れた前提だけを使えば、結果を良く見せられます。取引の条件は、結果が分かる前に明確にする必要があります。
過去の研究を一社へ当てはめない
Keimの論文が扱ったのは、過去の米国市場における企業群と月ごとの収益です。企業群の平均と、一社の経営や財務は違います。特定企業の利益見通しが悪化していれば、1月という日付がその問題を解消するわけではありません。
また、現在残っている成功企業だけを選ぶことや、効果が強かった期間だけを調べることでも、説明は偏ります。
投資期間を途中で都合よく延ばさない
年初の短い売買として始めたものが下がり、長期で持てばよいという説明へ変わる場合があります。長期保有を考えるなら、事業や買値、資金を使う時期を新たに読む必要があります。日付を根拠にした当初の判断とは、前提が変わっています。
1月効果を参考にする場合も、実績、費用、実行可能な価格をそろえると、期待の先に何の負担が残るかが具体的になります。
出典
参考資料の確認日:2026年10月23日。