利確できない心理の実例:当初の架空の目安、EPS80円×15倍=1,200円、同じ利益で1,600円へ上げるなら、EPS80円×20倍=1,600円、利益の前提を変える別案、EPS100円×15倍=1,500円。何を変えたかを記録

目標へ近づくたびに変更する仮例

仮想のA社について、1株利益80円、評価倍率15倍を想定し、1,200円を点検の目安としていたとします。株価が近づくと、同じ利益のまま「まだ上がりそう」と1,600円へ変えた場合、想定する倍率は20倍になります。

倍率を変える判断がいつも誤りとは限りません。ただし、事業リスクが下がった、成長の見通しが変わったなどの根拠があるかを調べます。利益も倍率も説明せず目標だけ上げると、売却を検討する条件がなくなります。

新たな利益予想で条件が変わる場合

別の仮定で、資料を読んで1株利益の想定を100円へ上げ、倍率は15倍のままなら、価格の試算は1,500円です。これは同じ15倍でも利益の前提が変わった判断です。会社予想か自分の予想かを明示し、不確実な点を残します。

上の数字は適正価格や将来の株価を予測するものではありません。売却を延ばした理由を、どの前提を変えたかで比較する計算です。

売らない案にも金額を記す

事業を今も評価していても、現在の保有額が大きくなりすぎたなら、量を別に検討します。必要な支出、一つの会社や業種への偏り、費用と税を加え、保有継続、一部売却、全売却を比べます。

一部を売れば必ず後悔しなくなるわけではありません。上がれば売った分を、下がれば残した分を悔やむ場合もあります。残りを持つ理由も記しておきます。

売却後に株価が上がった結果だけで失敗と決めず、売る時に分かっていた資料へ戻ります。天井を当てることより、前提の更新と先送りの区別をできたかを振り返ります。

出典