高値から何割安いかだけでは足りない
過去の高値3,000円を見た後に現在2,000円を見ると、約33.3%安いと感じます。しかし高値の時にEPSが150円、今の見通しが80円なら、利益の水準は約46.7%低下しています。株価が下がった割合だけでは割安を判断できません。過去の高値が持続可能な評価だったかも分かりません。
目標価格が動かなくなる不利益
最初に読んだ目標価格へこだわると、その後の業績修正や金利変化に合わせた見直しが遅れます。目標価格は計算に使う利益、倍率、時点の組合せです。数字だけを残して、その前提が更新されているかを見ないと、古い予想を追い続けることになります。
平均単価の変更で安全に見えることもある
1,200円で100株買い、800円で100株を追加すると平均単価は1,000円になります。買値に近づいたように見えますが、投入額は12万円から20万円へ増えています。価格がさらに600円へ下がれば評価額は12万円、損失は8万円です。取得単価を下げた満足感だけで、全体の損失リスクを小さく見ないようにします。
対策として、価格、利益の見通し、保有額を別の欄に書き、最初に見た数字を隠した場合も同じ結論になるかを考えます。アンカリングを自覚していても、必ず避けられるわけではありません。比較先と資料の日付を増やし、判断を更新できる形に残します。
昔の配当を基準に固定しない
一株配当が過去60円、現在の予想が30円なのに、昔の60円を今の株価600円で割ると、利回りを10%と誤って計算します。現在予想の利回りは5%です。高い配当の記憶が残っていないか、金額と対象年度をそろえます。特別配当を含む年と通常配当だけの年も、そのまま同じ条件にはできません。参考値が古くなったことに気づける記録が必要です。